女優の井上真央さんが主演するNHK大河ドラマ「花燃ゆ」が14日、クランクアップを迎えた。この日、東京・渋谷の同局で会見が行われ、制作統括の土屋勝裕チーフプロデューサー(CP)は、最終回の見どころについて、大沢たかおさん演じる楫取素彦(かとり・もとひこ)と井上さん演じる美和夫婦が鹿鳴館で踊るシーンを挙げ、「大仕事を成し遂げた2人がこれからまた新しい場所に旅立っていくということで終わることになると思う。人生まだまだ続いていくんだというように終わりたい」と語った。
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土屋CPは「だいたい大河は主人公が亡くなったところで終わることが多いが、今回については、人生はまだまだつながっていくんだというふうに終わりたい」とも語り、「テーマに掲げていたのが人から人へつながっていくということ。そこで終わりということでなくて、つながった先には今があるという最終回にしたい」と重ねて強調した。
また、主演という大役を務め上げた井上さんについて、「すごい女優さんだなと毎回驚かされ、感動させられた。1、2話のころと今を比べて、表情も違うし、人間として成長してきた感じが自然と演技に出してきている。毎回違って毎回新鮮で毎回はっとさせてくれるというか、そういう芝居を見せてくれた。天才女優というかすごいなと感じさせてもらった」と絶賛。井上さんが演じた美和の魅力については、「女性としての魅力もそうだけど、人間的な精神力の強さ」と評した。
同作は視聴率の低迷などが度々話題となっているが、「群馬編がスタートして、視聴率も若干上がってきている。これから、ますます上がってくるのを期待しつつ見ていただければ」と話し、視聴率が話題になることについて、「大河ドラマの宿命というか、それに応えられるよう制作者側として頑張る。一年間通して見ていただければ」とコメントした。
また、今回は「セクシー大河」や“イケメン”を起用したキャスティングなどを当初打ち出していたが、その手応えを聞かれると、「今まで見たことがない人が見ていただいているという話は聞いている。どうしても歴史を知らないと見られないのではないかということで、そのハードルを下げたかったので、『セクシー大河』だったり『イケメン大河』ということを言ってみた。そういうのが話題になって見てもらうきっかけになればと思って言ったけれど、その手応えでいえば、若い女性だったり、中学生が見ていると聞きましたので、そういう意味では少し効果があったのではないかと思う」と語った。
「花燃ゆ」は、幕末の長州藩士で思想家の吉田松陰(伊勢谷友介さん)の妹・文(井上さん)が主役のオリジナル作品。ドラマで文は長州藩の奥に入った後、名を美和と改めている。美和は長州藩の尊王攘夷派の中心人物・久坂玄瑞(東出昌大さん)と結婚し、久坂が死去した後は、群馬県初の県令(現在の県知事)の楫取素彦(大沢さん)と再婚した人物で、ドラマでは困難を乗り越えた美和の生涯が描かれている。NHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送中。最終回は12月13日に放送予定。
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