葵わかな:初主演ホラー映画はアドリブだらけ? 「せりふどこ行った?」

「島ぜんぶでおーきな祭 第8回沖縄国際映画祭」で初上映された映画「ホラーの天使」の矢倉楓子さん(左)、葵わかなさん
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「島ぜんぶでおーきな祭 第8回沖縄国際映画祭」で初上映された映画「ホラーの天使」の矢倉楓子さん(左)、葵わかなさん

 女優の葵わかなさんが初主演する映画「ホラーの天使」(長江俊和監督)が、このほど閉幕した「島ぜんぶでおーきな祭 第8回沖縄国際映画祭」で初上映された。現在はスタジオとして使用されている廃校を舞台に、撮影の待ち時間を過ごす2人の若手女優、合宿生活を送る3人のアイドルユニット、ネタ合わせを続けるコンビ芸人らが思いもよらない恐怖体験を次々と重ねていくホラー作品。同作に出演し、映画祭にも参加した葵さんとアイドルグループ「NMB48」の矢倉楓子さんに話を聞いた。

ウナギノボリ

 --沖縄国際映画祭の感想は? レッドカーペットを歩いた気持ちは?

 葵:私は初めて。海が近かったんですけれど、風が潮っぽい。日差しが強かったんですけど、風も強かったので、いい気温で、沖縄らしい空気感で歩けました。(観客が)なかなか近くで、いろんな方に自由にふれあえて楽しかったです。

 矢倉:私は3回目くらいですね。今回から4月になって、本当にちょうどいい気温。暖かくてよかったです。普段は握手会をしているんですけれど、よく来てくれる方が沖縄まで駆けつけてくれたのがうれしかったですし、沖縄の皆さんが知ってくれていて、「楓ちゃん」と呼んで握手してくださってパワーをもらいました。

 --演じた役について教えてください。

 葵:女優さんです。私のシーンはもう一人の共演者の女の子と一緒に現場の待ち時間を待合室で過ごしていて、学校を探検しようとなる。割と真面目な、本当に普通の女の子なんですけれど、きつい性格の共演者をいつも言い返しもせずに受け止めてる。(心の)中ではいろいろ考えてるんだろうなという、どこにでもいる子です。

 矢倉:アイドルグループの3人の中では一番怖がりで、妹っぽい役どころ。勇気もなくていじられキャラ。ダンスが苦手という設定は勝手に作った(設定)。すごく怖がりという役どころになっています。

 --ホラー映画に出演が決まった時の気持ちは?

 葵:台本を読むのが嫌だなと思った。文字で読むと自分の中での想像がふくらみすぎて、夜読むのはまずやめようと思った。ホラー映画は初めてだったので、叫ぶシーンで結構体力を使うのかなと思った。でも、ついにホラーに出演させていただける機会が来たんだと、ワクワクしていました。

 矢倉:私は逆に、夜に台本を読んじゃった。寝る前の怖い時間帯に読んじゃって、文字だと勝手に怖い想像をしちゃうから、すごく怖い映画になった。でも逆にこんなに怖い映画に参加できるんだってうれしかったんですよ。撮影に入る前からワクワクしました。

 --普段ホラー映画を見るのは大丈夫?

 葵:どう? 私は結構友達と見に行きます。でも怖いから「一人でお風呂入るの嫌だな」とか思っちゃうけれど、それでも懲りずに見に行きます。

 矢倉:お化け系がすごく苦手。そういう部分では役柄と共通していました。

 --今回の作品は、とてもリアルで怖かったです……。

 葵:よかった! 一番の褒め言葉ですよ。あれは私たちが撮ったんです。言えないんですけれど、最後は超怖いです! せりふとかも、台本はいただいていたんですが、監督が「割とせりふを無視して、大体この(台本の)ニュアンスは言ってほしいけれど、アドリブでやってほしい」と言われて……。台本をベースにところどころアドリブを入れてやったら、「今のはちょっと台本通りだからやり直し」って。そんなことを言われたのが初めてだったので驚きでした。最後の方は、本当に「せりふどこに行った?」って感じになってたよね?

 矢倉:うん。ほとんど全部自分たちの言葉ですね。

 葵:それで余計リアル感が伝わった。あとは、カメラも自分たちで持って撮りました。カメラワークとかを指定されて「もう1回」って。勉強になりました。「カメラマンさんって大変な仕事だな」と改めて痛感しました。

 --現場で怖い体験は?

 矢倉:わかなちゃん、あったんやんな?

 葵:えー言いたくない! ……病院の地下室で撮影したときに、本当に(お化けが)出るって言われている場所で、本編にも、白いオーブ?が映っているんですよ。監督に聞いたら「そのままだよ」って言ってたので、本当に(映画にも使われている)。私が見たときも、(お笑いコンビ・ライセンスの)藤原(一裕)さんのシーンとかに映っていたので、探してほしい。

 矢倉:それも見どころ!

 --2人ともアイドルと女優を両方経験していますが、どちらの仕事が好きですか?

 葵:アイドルをやらせていただく前から、女優も並行してやっていたので、今はアイドルを卒業して、やらせていただく前に戻ったという感じ。あまり意識的に何かが変わったという感じはないです。でも、全然感覚が違う。別物。学校と仕事並みに違う。(矢倉さんに)分かる? たぶん、脳の使っている部分が全く違うので、両方やっているときは、お芝居で疲れて悩んでいるときも、アイドルをやればスカッとなって、逆にアイドルで振りを覚えられなくて大変と思ったときはお芝居をやってスカッとなった。

 矢倉:そうやねえ。両方好きです。アイドルもある意味違う自分を曲中に演じるという意味では女優さんと一緒だなと思っていて、両方とも演じることは楽しいなと思います。(卒業は)まだまだ考えないです。まだまだずっといたいです。

 --映画を待っているファンへメッセージをどうぞ。

 葵:「ホラーの天使」という映画は、楓ちゃん(矢倉さん)がアイドル役で、私が女優役で、それぞれの時間が交差しながら進む話で、そこが見どころかなと思います。何よりも、皆さんが怖がっていただけたらと思っておりますので、ぜひ見て、「キャー!」と叫んで、スッキリした気分で見終わっていただけたらと思っています。よろしくお願いします。

<プロフィル> あおい・わかな 1998年6月30日生まれ。神奈川県出身。2009年にCMでデビューし、12年12月に結成されたアイドルグループ「乙女新党」のメンバーとして13年2月にCDデビューを果たし、07年7月に卒業した。現在は女優として活躍しており、連続ドラマ「表参道高校合唱部!」(TBS系)、映画「罪の余白」などに出演している。初主演映画「ホラーの天使」では、若手女優の一人を演じている。

 やぐら・ふうこ 1997年2月24日生まれ。大阪府出身。アイドルグループ「NMB48」のメンバー。好きな食べ物はアイスクリームとおもち。趣味は少女マンガを読むこと、ショッピング、映画を見ること。特技は体が柔らかいこと、短距離走、ハードル、縄跳び。「ホラーの天使」では、アイドルグループ「フェアリーズ」の藤田みりあさん、女優の水谷果穂さんと3人で、アイドルグループの1人を演じている。

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