サイボーグ009:3DCG新作はキャラモデル55体 分業制で効率化も

「CYBORG009 CALL OF JUSTICE」の制作過程(C)2016「CYBORG009」製作委員会
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「CYBORG009 CALL OF JUSTICE」の制作過程(C)2016「CYBORG009」製作委員会

 石ノ森章太郎の人気マンガ「サイボーグ009」のフル3DCGの新作アニメ「CYBORG009 CALL OF JUSTICE」が10日、動画配信サービス「Netflix(ネットフリックス)」で配信される。アニメは約400人にも及ぶスタッフが参加し、55体ものキャラクターの3Dモデルが制作されたという。同作を手がけたOLMデジタルのスタッフにアニメの制作について聞いた。

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 「サイボーグ009」は、悪の組織ブラックゴースト団によってサイボーグにされた島村ジョーら9人の戦士が、ギルモア博士とともに正義のために戦う姿を描いたマンガ。新作は同作の映像化50周年を記念して制作された完全オリジナルストーリーで、「攻殻機動隊 S.A.C.」シリーズなどの神山健治さんが総監督、「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」などに参加してきた柿本広大さんが監督を務めた。全3章が昨年11~12月に劇場公開され、今春にネットフリックスで配信されることになった。

 「パックワールド」「ルドルフとイッパイアッテナ」などを制作してきたアニメ制作会社のOLMデジタルが、今作のキャラクターデザイン、モデリング、レイアウトなどを担当。脚本、絵コンテなどは3月公開の劇場版アニメ「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」などを製作することも話題のシグナルMDが手掛けた。

 企画のスタートから約2年かけてアニメは制作され、各章のレイアウトに約4カ月、アニメーションに約8カ月を費やしたという。キャラクターの3Dモデルは55体にもおよび、メインキャラクターは衣装の違い、ダメージの表現などによってそれぞれ4、5体のモデルが作られた。さらに200種類以上の小物類、100以上の背景用の素材も作られ、担当者によると3Dモデルの数は「多い方かもしれない」という。

 通常は一人のスタッフが一つのカットを手がけることも多いが、今作はレイアウト、アニメーション、エフェクト、仕上げなどの専門のスタッフを分業で制作したという。分業制にしたのは効率化を図るためで、担当者は「工程を分けた方がスタッフが集中できる。作業のスピードが違う」と語る。

 少し乱暴な説明ではあるが、セルアニメはパラパラマンガのようなものであるのに対し、3DCGアニメは人形を作り、セットに配置して、カメラで撮影する……という工程をコンピューター上で行う。3DCGアニメはダイナミックな動きが得意とも言われているが、担当者は「たくさんのキャラクターが登場するシーンは難易度が高いですね。ジョン・ウー(監督の映画)のようにカメラを動かそうとすると大変です。特にアクションシーンは大変ですが、面白いところでもあります」とも話す。

 3DCGによって派手なアクションなど進化した名作「サイボーグ009」。スタッフの“技”も注目だ。

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