話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、カトウコトノさんのマンガが原作のテレビアニメ「将国のアルタイル」です。古橋一浩監督に作品の魅力を語ってもらいました。
ウナギノボリ
「光る君へ」より昔! 最も古い時代の大河ドラマは? 1976年「風と雲と虹と」のあらすじ
――作品の概要と魅力は?
架空歴史絵巻です。魔法関係の要素は入っていません。特殊能力的なものは多少ありますが、勘が鋭いとか風の通り道が見えるなどの現実感を失わない範囲にとどまっています。そんな世界観の中で十代の戦争孤児・マフムートが戦争をよしとしない将軍となり自国の行く末に大きく関わっていくことを主軸に、数多くの登場人物が織り成す群像劇です。
このジャンルの他作品との比較では、戦略的な戦いに加えて政治や経済力を含めた国同士の関わりを描いているところが特徴で、それが楽しめる人には何よりの魅力になり得るのかなと。
――アニメにするときに心がけたことは?
この作品に限らないのですが、完結していない、映像化する以上の物量を持つ原作をアニメとして翻訳する際には、数限りない問題が発生します。最初の大きな問題は、一定のフォーマットに収めるための取捨選択ですが、これは正解のない事案でどんな選択をしようが欠陥が出ます。
合議制とはいえ少数の主観的審議で、よりよいと思われる構成をしていく。その際の指針も大衆性←→作品性≧分かりやすさ←→独特の世界観のように相いれない二律背反が常に付きまといます。その中での判断ミスが大きく結果を左右してしまうことはよくあります。この作品自体が「最善の選択をする」をサブテーマとしています。現実の制作現場においても監督として上記を心掛けて参ります。
――作品を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったことは?
基本的に座り仕事なので日常に変化が少ないです。今、作品に関した出来事限定では取り立てて大きな問題はありません。小さなことだと、V編集の時にメーカーさんの差し入れがいつもおいしいとか。本編の編集室とV編集のスタジオが共に自宅、仕事場から自転車で3~7分の近さだとか。
大変なことは、五十肩が悪化して近くの病院に行き、注射をしてもらいました。それから通院しておりますが、一進一退で治りません。右腕、肩に負担かかる仕事なので、続けているうちは完治しないかも。
――今後の見どころを教えてください。
・1クール終わりにかけて四将国編の結末へ至る流れ
・2クール目からの新規音楽と、新オープニング、エンディング
・キャスティング全般
・万能鳥のイスカンダルと後半少し増える女性キャラ(もともと男性キャラが多いので……)
――ファンへ一言お願いします。
脚本や重要な設定は、原作サイドに監修をお願いして細かく意見交換を行っています。私の過去作品と比べても見晴らし感はダントツです、メインキャラのキャスティングに関しては、現状可能限界までカトウ(コトノ)先生の選択を最重視して決定しました。アニメ化が成功裏に終わるよう応援お願いいたします。
古橋一浩
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