女優の上白石萌音さんと俳優の岡本健一さんが、8月28日にNHK・BSプレミアムで放送される特別番組「森光子生誕100年 ~放浪記 永遠のメッセージ~」で、故・森光子さんとバーチャル共演を果たしていることが分かった。番組では、森さんの代表舞台「放浪記」の林芙美子(森さん)と相手役の二人芝居の場面を再現。上白石さんは過去に八千草薫さん、松原智恵子さん、岸本加世子さん、藤谷美紀さんらが演じた悠起役、岡本さんは芙美子の初恋の男・香取恭助役を務める。
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2005年の芸術座公演での映像を使用し、NHKのスタジオにブルーバックを設置する中、せりふや動きを完全にたたき込み、本番に臨んだという上白石さんは、「収録の数日前に台本をいただいてから、ずっと脳内が『放浪記』一色でした。(過去の映像と合成するため)どういうふうに撮影するかイメージできずにいたのですが、想像以上に臨場感があって驚きました」と明かす。
さらに「森さんの生の声が、録音ではあれどこの場に響き、時を超えてお会いできたような気持ちになりました」と振り返ると、「実際の小道具や衣裳を使って芝居をさせていただけたこともあり、夢のようでした。たくさん勉強させていただいて光栄に思います。森さんはレジェンドといいますか、目指すべき女優像と思っていましたので、間接的にでもお芝居のやりとりができたのは、本当にこんなことってあるんだな、という気持ちです」と喜びを語った。
また「放浪記」を何度も観劇し、舞台「深川しぐれ」(1997年)、「本郷菊富士ホテル」(1998年)で森さんと共演しているほか、私生活でも親交のあった岡本さんは、「森さんはテレビなどあらゆるジャンルでご活躍なさっていましたけれど、自分としては舞台の森さんの姿を本当に尊敬していましたので、それを今回このような形でもう1回見られる、森さんを特集していただけるというのは、今を生きる私たちにとっても力になると思うし、素晴らしい企画だなと思います」としみじみする。
「自分より下の世代には、森光子さんの舞台をリアルタイムで体験した人がどんどん少なくなってくる。そういう人たちに、自分が尊敬し影響を受けた森さんのお芝居や、ずっとライフワークにしていた『放浪記』、80歳を過ぎてもずっと新作に取り組んでいたことなどを、伝えていかなければいけないと思っています」と話していた。
そのほか番組では、森さんと関わりの深かった人物の証言で、「放浪記」2000回へのこだわりと、知られざる森さんの最後の日々を明らかにするといい、証言者として黒柳徹子さん、東山紀之さん、堂本光一さん、井上芳雄さん、丸山博一さん、田根楽子さんも登場する。8月28日午後10時~同11時にNHK・BSプレミアムで放送される。
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