佐久間宣行:「観客も出演者に」変わっていった構図 3年半ぶり開催「ゴッドタン マジ歌ライブ」への思い

「マジ歌選手権」のイベント「ゴッドタン マジ歌ライブ2023 ~マジオールスター歌謡祭~」のビジュアル=テレビ東京提供
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「マジ歌選手権」のイベント「ゴッドタン マジ歌ライブ2023 ~マジオールスター歌謡祭~」のビジュアル=テレビ東京提供

 テレビ東京の深夜番組「ゴッドタン」(土曜深夜1時50分)の人気企画「マジ歌選手権」のイベント「ゴッドタン マジ歌ライブ2023 ~マジオールスター歌謡祭~」が、さいたまスーパーアリーナ (さいたま市中央区)で9月21日に開催される。同番組のプロデューサーを務める佐久間宣行さんに、イベントの軌跡や、出演芸人への思い、人気コンテンツとなった現在について聞いた。

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 ◇「ロックバンド的な育ち方している」

 同イベントは2009年に日本青年館(東京都港区)で開催されたのを皮切りに、会場規模を拡大しつつ定期的に開催。コロナ禍を経て、今回は3年半ぶりの開催となる。

 次第に大きくなる会場規模への手応えを聞くと、佐久間さんは、「マジ歌に関しては一足飛びにやっていない。最初1000人から始め、渋谷公会堂、中野サンプラザ、国際フォーラム、日本武道館、横浜アリーナ、さいたまスーパーアリーナと、しっかりライブをやるロックバンド的な育ち方をしている」と地道な成長ぶりを口にする。

 イベントが発展していく過程で「肉眼でわかるコント的な笑いは伝わらないと思い、ライブショーの“あるある”を大げさにしていくことを意識し、国際フォーラムで演出方法をガラッと変えた」と振り返る。

 「マジ歌の要素をマジライブにしていくというか。それまではおぎやはぎやバナナマンの設楽(統)さんがマジ歌の人たちを観客にプレゼンして観客が笑う構図だったけれど、今はマジ歌の芸人と観客が一体になって、その現象自体を外からおぎやはぎと設楽さんが突っ込む構図に変わっている。観客の立ち位置が変わり、観客も出演者になった感覚でやってきました」

 現在は佐久間さん自身も“演者”として表舞台に立つ機会も増えたが、「完全に切り離して考えています。演者として出ることで演出の役に立つと思ったけど全然そんなことはなくて、劇団ひとりとか(ロバートの)秋山とかバカリズムは“化け物”。“化け物”とずっと仕事をしていたのだなと」としみじみ話し、「売れきっている人たちなのに、まだ付き合ってくれるのはありがたい」と感謝する。

 ◇「芸人人生のいろんな時期を提供してくれた」

 イベントに人気や集客力が高まった要因を聞くと、佐久間さんは「いくつかのポイントがある」と前置きして次のように分析する。

 「本当にいい曲を歌いたいと芸人が変わり、曲のクオリティーが上がったのが一つ。劇団ひとりの特殊メークでキャッチーな爆発力を手に入れ、(東京03の)角田さんのバンドに(マネジャーの)大竹君が入って、この企画でしか見られないスターが生まれた。とどめに(フットボールアワーの)後藤さんの登場。順を追って何段階にも化けていった。さらに実力者の秋山とかバカリズムが毎回ネタを持ってきてくれたり、(ハライチの)岩井のドキュメント性が加わったり、各芸人が芸人人生のいろんな時期を番組に提供してくれたことが一番大きい」

 マジ歌ライブのようにイベント化したい企画はあるかと水を向けると、「いつか(キングコングの)西野VS劇団ひとりを両国国技館か後楽園ホールでやりたい気持ちはあります」と笑顔で応じた佐久間さん。改めて今回の意気込みを聞くと、「今やほぼ全員MCという人たちが、全力でネタを作って勝負してくれる現場を、大勢の皆さんの前で披露できるのが何より楽しみ。僕が一番観客として楽しみにしている。マジ歌ライブはお客さんが盛り上がって、それをおぎやはぎやバナナマンが笑っちゃうというので完成する。その瞬間に立ち会ってほしい」とアピールした。

 「ゴッドタン マジ歌ライブ2023 ~マジオールスター歌謡祭~」が、さいたまスーパーアリーナ (さいたま市中央区)で9月21日に開催。ライブ配信も行われる。(取材・文:遠藤政樹)

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