Spirit of Wonder:初BD化 鶴田謙二描き下ろしショートショートコミック付属 庵野秀明のコメントも

「Spirit of Wonder」のビジュアル(c)2001・2003 鶴田謙二/講談社・バンダイビジュアル(c)1992・1993 鶴田謙二/講談社・UNIVERSAL MUSIC LLC
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「Spirit of Wonder」のビジュアル(c)2001・2003 鶴田謙二/講談社・バンダイビジュアル(c)1992・1993 鶴田謙二/講談社・UNIVERSAL MUSIC LLC

 鶴田謙二さんのマンガが原作のアニメ「Spirit of Wonder」のブルーレイディスク(BD)ボックスが2024年3月27日に発売されることが分かった。OVA(オリジナル・ビデオ・アニメ)として発売された「少年科學倶楽部」「チャイナさんの憂鬱」「チャイナさんの縮小」「チャイナさんの惑星」「チャイナさんの盃」が初めてBD化される。

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 鶴田さんの描き下ろし収納ボックス、鶴田さんの描き下ろしショートショートコミック、庵野秀明さんが構成、脚本、演出として参加したドラマCD「チャイナさんの逆襲」などが付属する。価格は2万6400円。

 BDボックスの発売を記念して鶴田さんらがコメントを寄せた。

 ◇鶴田謙二さんのコメント

 「Spirit of Wonder」も今や古のアニメーション作品となりました。ただ時間がたち時代は変わりましたが(原作者ということもあると思うのですが)思い入れが(思い込みも)強かったせいか心の深いところに今もずっと住み着いたままです。例えば大好きな月面シーンのあの表情はずっと脳内に張り付いて剥がれません。きっと死ぬまで剥がれないでしょう。「チャイナさんの憂鬱」はかれこれ30年前の作品です。アニメ化のお話しが来た頃、私はいろいろあってマンガ家を休止中でした。精神的にすさんでいたし、せっかくのアニメ化だというのに雑誌上の連載どころか掲載すらできない状態で、制作中も(というか終わった後も、今現在も)それは変わりませんでした。現場にも関係者にも迷惑をかけて、私にとっては申し訳ない思い出でいっぱいな作品なのであります。

 ピンク・フロイドの武道館公演を見て思いついた話なので主人公は「フロイド」、ジムとリリーでブリストル、そして毎月家賃を直接取り立てに来るアパートの大屋さん。聞いたらガッカリするような理由で構成された物語だったことは、申し訳なさすぎて黙っていましたが……ごめんなさい。そしてありがとう。作品は時代の思い出とセットになっているのが常ですが、今回の復活で、世代を超えて私のフラッシュバックのような走馬灯のような感じを共有してくれる人が30年後に現れてくれるとうれしい限りであります。

 ◇チャイナ役の日高のり子さんのコメント

 私が初めて鶴田先生の作品に触れたのは「チャイナさんの憂鬱」のボイステストの時。原作を読み、キャラクターや背景はもちろん、月や星、空をなんて美しく描かれるのだろうと感動しました。でもそんな世界に登場するキャラクターたちは皆どこかコミカルで人間臭くて面白いのです。私が演じたチャイナさんは、スタイル抜群な拳法の達人。相手を蹴り上げた時にチャイナ服のスリットから伸びた足が色っぽくて、私で大丈夫かしら?とドキドキしましたが、チャイナさんの愛嬌のあるお顔、とくに丸いお鼻に親しみを感じて楽しく演じることができました! 今回のボックスにはドラマCDも入るとか……。鶴田先生、庵野監督、樋口(真嗣)監督の楽しそうなお顔が浮かびます(笑い)。

 ◇ウィンディ役の柚木涼香さんのコメント

 「Spirit of Wonder」BDボックス発売決定! 鶴田謙二先生原作のすてきな作品。いつかBDになったらいいのにな……とずっと心の片隅にあったのでうれしいです!私が出演させていただいた「少年科學倶楽部」。夢を追い続ける男たちにあきれながらもその純粋さと熱意に心動かされます。当時は新妻という役どころにもドキドキしながらの収録でした。それを思い出すとちょっと恥ずかしい気もしますが(笑い)時間がたった今、登場人物、風景や音楽、すべてにいとおしさが増しています。この機会にまたたくさんの方に見ていただけたらうれしいです。BDボックスでもどうぞお楽しみくださいね。

 ◇ドラマCD「チャイナさんの逆襲」主演出の庵野秀明さんのコメント

 鶴田謙二氏が雑誌モーニングでマンガ家デビューした時の衝撃は、今でも覚えています。絵を見た瞬間にファンになりました。圧倒的で知性的な画力と同居している何とも言えない不思議な色気が魅力でした。その後、縁あって飲み友達となり、鶴田氏の同人誌を出版したり一緒に仕事もしたり、という流れになりましたが、歳を取ってもいまだに衰えない画力(遅筆にますます磨きがかかってますが)には感服するばかりです。チャイナさんのドラマCD制作は好きにやらせてもらいました。良い思い出の一つです。ツルりん、また飲みましょう。

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