菅田将暉:「民王」にかける思い “大ブレーク”の実感も

「民王スペシャル~新たなる陰謀~」に出演する菅田将暉さん=テレビ朝日提供
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「民王スペシャル~新たなる陰謀~」に出演する菅田将暉さん=テレビ朝日提供

 俳優の菅田将暉さんが遠藤憲一さんとダブル主演を務め、2015年7月期に放送された連続ドラマ「民王(たみおう)」(テレビ朝日系)のスペシャルドラマが15日と22日に2週連続で放送される。15日は連ドラ版のその後を描いた続編で、22日は高橋一生さん演じる総理秘書の貝原の過去を描くスピンオフドラマ。菅田さんは続編で、再び“脳波ジャック”で父親の武藤総理と魂と体が入れ替わってしまうおバカな大学生の息子・武藤翔役を演じる。多数の映画やドラマに出演し、「三太郎」シリーズのCMでも“鬼ちゃん”として注目を集めるなど大ブレーク中の菅田さんにドラマにかける思いやブレークの実感などを聞いた。

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 ◇「民王」は縁を感じた作品 同世代俳優との共演に喜びも

 「民王」は、池井戸潤さんの同名小説(文春文庫)が原作で、厳格な総理大臣・泰山と息子の翔が入れ替わってドタバタ劇を繰り広げるコメディータッチのドラマ。15日のスペシャルドラマは「民王スペシャル~新たなる陰謀~」と題した連続ドラマの続編で、国民からの信任を得て発足した第2次武藤内閣が人気・期待度ともに上り調子になる中、泰山が“ボンジョビウム”外交のためにウズラスキスタンに向かい、翔が農場で新人研修をしているときに“脳波ジャック”が起こり……というストーリーだ。

 連ドラの終了後、「今まで声をかけてくれたことのない人たちが見てくれたことが多かった」と菅田さん。スペシャルドラマが決まり「すごくやりたかったのでうれしかったですね。展開としていくらでも作れる余地があると思う」と心境を明かす。「民王」は「仮面ライダーW(ダブル)」(2009年)以来のテレ朝での主演ドラマといい、「(仮面ライダーWで)お世話になった局、作品でもあって。そこから6年ぐらいたって主演として戻ってきて。(民王は)仮面ライダーと同じようにバディーもので、すごく縁を感じた作品でした」としみじみ語る。
 
 撮影にはスムーズに入れたとはいえ、久しぶりの“泰山”役。「びっくりするほど表情筋を使う」など、普段はしないような仕草や表情が多いため、「体がびっくりして……。初日(の撮影)が終わってすごく寝て。こんなこと毎日やってたんだ、と思いました」と振り返る。泰山は、戦国武将のような振る舞いで直球で話すキャラクター。菅田さんは「行き過ぎているけど、間違ってはいない。自分の思いをこんなにもロマンチックに言える人ってなかなかないので。それは快感ですね。すごく共感する部分もあって。みんなの真っすぐな声を代弁して言っているような気持ち」と楽しそうに泰山の魅力を語る。

 今回は昨年の連ドラの続編。菅田さんは、「昨年やった民王の、テイストだけを残して作るという感じ。前回と変わらない民王の世界だな、という部分は意図して作っています」と語る。今作では、新たに門脇麦さんや大倉孝二さんらも共演者として参加している。門脇さんとは同世代という菅田さんは「なかなか“タメ”とか同世代の2人でシーンを任されるのって少ないんですよ。全国で流れる映像作品を若年層だけで成立させるのってかなり難しいし、ハードルが高い。でも今回、後半は門脇さんと2人だけのシーンとかあるんです。ニュージェネレーションの感じというか、世代意識ってどこかしらあって、僕ら世代をちゃんと知ってもらいたいという感覚があるのですごくうれしかった」と目を輝かせる。

 ◇“大ブレーク”の手応えは? “鬼ちゃん”役に「鳥肌モノ」

 現在、映画にドラマに、と目覚ましい活躍をみせている菅田さん。2月には映画やドラマなどで活躍した俳優などを表彰する「第40回エランドール賞」の新人賞を受賞するなど、大ブレークの最中にある。こうしたブレークの実感について菅田さんは「もちろんあります」と素直な気持ちを明かし、「街中で声をかけてもらう頻度だったり、自分の広告や写真を街中でみるようになった、というのもそう。現場で役をまっとうして帰るというのは以前と何も変わってないのですが、ただいろんなステージに立つことが増えました。また、ささいなことで情報番組やツイッター、ヤフーのニュースなどで取り上げてもらうことが増えました」と手応えを口にする。

 CMでも、松田翔太さんや桐谷健太さんらと共演するauの人気CM「三太郎」シリーズでは、華麗に太鼓をたたく“鬼ちゃん”として人気を集めている。菅田さんは、「(自身が出演する)何かのキャスト発表を情報番組で扱ってもらった際に、(MCの)加藤(浩次)さんが『鬼ちゃんだ』と言ってくれたんですよ。その数秒のシーンを、おやじがうれしそうに見せてくれて」とのエピソードを披露し、「鳥肌ものというか……、“鬼ちゃん”として認識してもらっている、それは数年前には考えられないことだなと思いました」と胸中を吐露。「芸能界って、いじってもらえてナンボ、というところがあるので、面白がってもらえる“鬼ちゃん”というひとつのアイテムを勝ち取ったんだな、という感覚。そこは感謝しかない」と語る。

 出演作が増え、多くの人から注目されているポジションにあるが、「プレッシャーはあまり気にならない」と菅田さんは言う。「それはもちろんありますけど、諸先輩方を見ていたら当たり前のようにあるものなので。(プレッシャーも)ここまであると気にならないですね」と気負わず自然体だ。今後もさらなる活躍が期待されるが、「ひとつひとつ、真面目にコツコツやっていけばなんとかなる、という感覚ですね」とほほ笑みながら語った。「民王スペシャル~新たなる陰謀~」は4月15日、「民王スピンオフ~恋する総裁選~」は同22日のそれぞれ午後11時15分から放送予定(一部地域を除く)。

 <プロフィル>

 すだ・まさき。1993年生まれ、大阪府出身。テレビドラマは「仮面ライダーダブル」(2009年)、「ごちそうさん」(13年)、「ちゃんぽん食べたか」(15年)、映画は「暗殺教室」(15年)、「暗殺教室-卒業編-」(16年)、「星ガ丘ワンダーランド」(16年)など出演多数。

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