真田丸:小日向・秀吉、早くもハマリ役の評価 天下人に潜む“狂気”を好演

「真田丸」で小日向文世さんが演じる秀吉=NHK提供
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「真田丸」で小日向文世さんが演じる秀吉=NHK提供

 堺雅人さん主演のNHK大河ドラマ真田丸」で、小日向文世さん演じる秀吉が、“天下一の人たらし”でありながら、どこか不気味さを感じさせられ、登場直後から“ハマり役”だと話題になっている。秀吉を見事に演じる小日向さんについて、制作統括の屋敷陽太郎チーフプロデューサー(CP)は、「目が笑っていない。権力者が崩壊していく怖さがある」と説明する。小日向さんが演じる秀吉の魅力とは……。

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 ◇心が冷え切っている秀吉

 「真田丸」は、真田幸村の名でも知られている戦国時代の人気武将・真田信繁を堺さんが演じ、戦国時代に信州の小さな領主のもとに生まれた信繁が、家族とともに知恵と勇気と努力で乱世を生き抜く姿を描いている。物語は「大坂編」に入り、天下をほぼ手中とした秀吉の護衛役の馬廻(まわり)衆となった信繁が、秀吉に振り回されることになる。

 一般的なドラマにおける秀吉といえば、人たらしで魅力的だが、天下人となると、狂気を帯びていく孤独な人物として描かれることが多い。「真田丸」の秀吉も、屋敷CPは「心が冷え切っている」と説明。「これまでのドラマでは、家康が目が笑っていない人物として描かれることが多かったかもしれません。『真田丸』で内野聖陽さんが演じる家康は喜怒哀楽がはっきりしていて、どちらかと言えば人間的」と話し、対照的に「秀吉は目が笑っていない」という。

 小日向さんは“いい人”を演じることも多いが、映画「アウトレイジ」(北野武監督)で悪役を演じるなど“カメレオン的”な俳優として知られている。人たらしで、狂気すら感じる秀吉は、ハマリ役と言えるかもしれない。

 ◇山本耕史、竹内結子の存在感も

 大坂編では、山本耕史さんが演じる石田三成、竹内結子さんが演じる茶々も新たに登場し、物語の中心的な存在となっていく。屋敷CPは、信繁の“上司”となる三成について「キャリア官僚のような存在。冷たく見られるかもしれませんが、ふと本音を漏らすこともある。清潔感のある山本さんが演じているので、嫌われないと思います」と話す。また、山本さんを「堺さんと共に時代を代表する滑舌のいい俳優。チームワークを大切にする方です」と絶賛する。

 茶々は、秀吉の最愛の側室で嫡男・秀頼を生むことで大きな影響力を持つ存在となる。屋敷CPは、茶々を演じる竹内さんについて「気品があり、闇もある茶々を演じていますが、チャーミングで品のよさもある。山本さんもそうですが、嫌われないですよね」と語る。

 人たらしだが恐怖すら感じさせる秀吉、冷たいようで人間的な三成、闇があるがチャーミングな茶々……。信繁は、一筋縄ではいかない三人に振り回されることになるようだ。大坂編での今後の展開が注目される。「真田丸」はNHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送。

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