女優の尾野真千子さんと俳優の長谷川博己さんが出演するNHK土曜ドラマ「夏目漱石の妻」が24日から放送される。明治を駆け抜けた夏目漱石夫妻の姿を、妻・鏡子の視点で描くホームドラマで、鏡子役を尾野さん、夏目金之助(漱石)役を長谷川さんが演じている。尾野さんと長谷川さんにドラマの共演エピソードや見どころなどを聞いた。
ウナギノボリ
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「夏目漱石の妻」は、激動の明治を駆け抜けて成長していく夏目漱石夫妻の姿を、妻の鏡子の視点でユーモアを交えて描くドラマ。長谷川さんが教師になった気難しい性格の漱石を、尾野さんが19歳で10歳上の金之助と見合い結婚をした社交的で明るい鏡子を演じるほか、黒島結菜さんが山田房子、舘ひろしさんが鏡子の父・中根重一を演じる。
オファーを受け、「正直、すごくうれしかったです。ものすごくうれしかったですね」と長谷川さん。「監督になんで選んでくださったか聞いたら、『今一番勢いがあるから!』って。それだけ?(笑い)」と笑顔で話す。
尾野さんは撮影がとにかく楽しかったという。「長谷川さんとのお芝居は苦にならなくて。すごく長いせりふを言い合うシーンでも、せりふを気にしていない。自分の言葉みたいだったんですよ」と話す。長谷川さんは「こんなに笑ったことないな、というぐらい笑いました。僕が猫のまねをして入ってくるところとか……狂気と笑いって紙一重だなって。なんで俺、こんなことやってるんだろうって思いながら。でもきっと漱石も鏡子さんもそんな感じだったんじゃないかなって」と話し、尾野さんも「(漱石も鏡子も)苦労しているのに、楽しみながらやって(生活して)いる感じ」とほほ笑む。
撮影に臨むにあたって、漱石の本質をつかむために、長谷川さんは万全の準備をした。「皆さん(それぞれに)夏目漱石の人物像があると思う。昔、1000円札だったイメージもある。いろんな方々が(漱石を題材に)書かれていますし、だんだん分かんなくなってきて……」と当初の戸惑いを明かしつつも、「漱石のいろいろな小説を読みました。作家の本質はその人の小説にしかないな、と思って」と長谷川さん。漱石の小説を読むのはもちろん、夫妻が住んでいた場所や仕事場への道を見るため、お忍びでドラマの舞台でもある熊本にも足を運んだという。
そんな長谷川さんの役作りを、尾野さんは「私が(漱石について)質問するとなんでも答えてくれるんですよ。夏目漱石なんじゃないですか、というぐらい答えてくれた」と絶賛。長谷川さんも尾野さんの鏡子について「見ていてうらやましいぐらい自由なんですよ。柔らかいんですよね。自由にやられるから、うらやましかった」とその演技の魅力を語る。尾野さんは「もともと文字があまり好きじゃなくて、読むことが不得意。でも感じることは好きだった。人づてに物語を聞いて想像を膨らませるのはすごく好きだったので、台本を読んで、そこから想像を膨らませるんです。私が鏡子だったらどうなんだろうって。だから感じたままをやっております」と説明する。
ドラマの見どころについて、尾野さんは「一緒にいてけんかばっかりするシーン。こんなにけんかばかりしていていいのかな、と思いますけど、すごく楽しくて。(印象に残るシーンは)全部! 全部って言ったらダメなんでしょうけど……(笑い)」と充実した表情で語る。長谷川さんは「2人の関係性の変化が面白いですから、どことは言えないですけれど、全体を通してどう関係性が変わっていくか、そこが面白いです」とメッセージを送った。
「夏目漱石の妻」は24日からNHK総合で毎週土曜午後9時に放送。全4回。
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