伊東四朗:39歳と69歳の2役という難役に「とても無理」 ドラマ「四十九日のレシピ」

「四十九日のレシピ」取材会に登場した(左手前から)風吹ジュンさん、和久井映見さん、伊東四朗さん、(左後ろから)渡部豪太さん、徳永えりさん
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「四十九日のレシピ」取材会に登場した(左手前から)風吹ジュンさん、和久井映見さん、伊東四朗さん、(左後ろから)渡部豪太さん、徳永えりさん

 俳優の伊東四朗さん(73)が39歳と69歳の2役をドラマ「四十九日のレシピ」(NHK)で演じることがわかった。39歳の役は30年前の回想シーンとして登場する。撮影中の緑山スタジオ(横浜市青葉区)のセットで4日、取材に応じた伊東さんは「今日何とか回想シーンを撮り終えました。私はできない、とても無理だとスタッフ側と激論を戦わせたんですが……。見せたかったような、見せたくなかったようなシーンです」と振り返った。「役は69歳、30年前なので39歳。私は(実年齢)73歳なんでもっとさかのぼる。そのへんがとても、辛いです……」と肩を落とし、共演の風吹ジュンさんに「お若かったです、間違いなく。今日は完璧」と励まされていた。

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 「四十九日のレシピ」は作家、伊吹有喜さんの同名小説が原作。大切な人を亡くした家族が生きることの辛さを乗り越えて再生に向かうまでの日々を描く物語。母の乙美(風吹さん)がなくなって2週間、放心状態の父・良平(伊東さん)のいる実家へ戻った百合子(和久井映見さん)は、生前の母の教え子で、井本と名乗る若い女(徳永えりさん)と出会う。彼女は生前の母に頼まれ、四十九日の間、家事を請け負うという。さらに、日系ブラジル人の青年・ハルミ(渡部豪太さん)も加わって、乙美の四十九日まで、4人の不思議な共同生活が始まる……というストーリー。

 和久井さんは「右を見ても左を見ても、贅沢な幸せな時間を過ごしています。少しずつ目線を上げて、前を見て歩んでいけるようなすてきな作品」とドラマを紹介し、「家族といる日常は特別な一日だと、実感しながら演じています」と真剣な面持ちで話した。徳永さんは「家族という関係は、壊れても必ず治る。目には見えないつながりがあると思いました」と話し、渡部さんは「家庭のやすらぎというものを、早く自分でも築けるように成長したい。家族がほしいです」と笑顔で話していた。

 伊東さんと同じく、38歳と70歳を演じる風吹さんは、70歳の姿で登場。「楽しく気持ちよくやらせていただいた」といいながらも、「自分の歳が70を体験していないので、自分のイメージの中だけで演じている。自分に影響が出てきて、だんだん背中が曲がってきて、目も見えにくくなってきた」と明かした。一方、38歳の演技は「気持ちをアップアップですね」と笑顔。「何が違うって、姿勢やテンポだと思う。言葉もトーンもできるだけ上げるように意識した。体が絶対違うんだなということを感じます」と話していた。

 制作統括の後藤高久さんは、「毎日を生きていると後悔していることがあり、生きるのに障害になってしまうことがある。後悔ばっかりしているんじゃない。言いたいことがあったなら、今からでも言えばいいじゃないか。見る人の先に向かって行くパワーになると思う」と、ドラマにかける思いを熱く語った。

 ドラマは全4回で、11年2月15日~3月8日の毎週火曜午後10時放送。BShiで毎週金曜午後6時から再放送される。(毎日新聞デジタル)

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