岡田武史さん:母校早大で特別講義「困難は次へのステップ」と後輩にエール

母校・早稲田大学で特別講義を行った岡田武史さん
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母校・早稲田大学で特別講義を行った岡田武史さん

 前サッカー日本代表監督の岡田武史さんが17日、母校の早稲田大・大隈記念講堂で「岡田ゼミ」と題した公開講義を開催。大学生の就職内定率が過去最低となるなどの社会背景を踏まえ、「いろんな困難をどうとらえるか。ぼくの場合は必ず次へのステップになってきた。簡単にあきらめない、投げ出さない。そうしていると不思議と神様がプレゼントをくれる。苦難が来た時に頑張るんです」と熱弁。「学生にとっては大変な時代かもしれないですが、逆に言うと、そういう時代を生き抜いたすごい世代になる可能性がある。ぜひ頑張ってもらいたい」と後輩たちにエールを送った。

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 岡田さんは今年8月にWOWOW専属のサッカー解説者に就任し、公式サイト「WOWOWオンライン」の「リーガエスパニョーラ」特設ページでは独自の理論を展開するコラム「岡田ノート」を連載中。今回の「岡田ゼミ」は、その特別版として早大の3~4年生を中心に約250人を招いて行われた。岡田さんは同リーグの2大チーム「バルセロナ」「レアル・マドリード」を題材に、リーダーシップ論、マネジメント論などについて、日本代表やクラブチームの監督経験やエピソードに触れながら、講義を行った。

 岡田さんは、レアルのモウリーニョ監督について「選手に愛情を持ちながら、でも一線は引いているんだと思う。あれだけの選手たちがついてくるのは、選手のハートをつかんでいるからでしょう」と分析。「ぼくは怒ったりはしないですけど、『このおっさん、いざとなったら何するか分からん』という緊張感がないといけない」と力説し、理想のリーダー像については「上司として矢面に立ってくれるかどうか。ぼくもマスコミに選手の悪口を一言も言ったことがない」などと語った。

 さらに、組織をマネジメントする上で必要な人心掌握のコツを聞かれた岡田さんは「選手は自分を認めてもらいたいんです。だから『おれは見てるぞ』ということを伝えるんです。教育とはコップに入れてやることではなく、引き出してやること。緊張感を持った中で引き出してやる。そんなに難しいことじゃない。腹のくくり方しだいですね」と持論を展開。幾多の苦難を乗り越えてきた岡田さんの熱い講義に、集まった学生たちは真剣に耳を傾けていた。

 なお、WOWOWでは日本時間30日午前4時45分から、バルセロナとレアル・マドリードが対戦する伝統の「クラシコ」を、バルセロナの「カンプ・ノウ」スタジアムからハイビジョン生中継。岡田さんも現地で解説を担当する。また、11年1月2日深夜0時15分からは岡田さんがヨハン・クライフさんと対談する「頂上対談!岡田武史×ヨハン・クライフ~フットボールの理想と現実~」も放送する。(毎日新聞デジタル)  

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