堺雅人さん主演で加賀藩の御算用者(ごさんようもの)・猪山直之の姿を描いた映画「武士の家計簿」(森田芳光監督)の初日舞台あいさつが4日、東京都内で行われ、主演の堺さんや仲間由紀恵さんや松坂慶子さんらが登場。妻役の仲間さんは「あこがれの家族だと思える現場でした。この温かい気持ちを忘れずに頑張っていきたいです」と語り、母役の松坂さんも「夫にも息子にも恵まれ、幸せなひと時を過ごせました」と、劇中の猪山家の強いきずなに思いをはせた。
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主演の堺さんは「久しぶりに一家がそろって、このメンバーで楽しく撮影した日々を懐かしく思い出しました。家族のようなすてきなスタッフ、すてきな撮影所でした」と目を細めて振り返った。
「武士の家計簿」は、加賀藩を舞台に、刀ではなくソロバンを使う御算用者として、一家と藩の立て直しを行った下級武士・猪山直之(堺さん)とその家族の物語。原作は「金沢藩士猪山家文書」から武士の生活を読み解いた歴史学者の磯田道史・茨城大准教授の著書「武士の家計簿 『加賀藩御算用者』の幕末維新」(新潮社)。
劇中では家計が逼迫(ひっぱく)し、節約生活を余儀なくされる猪山家だが、公開初日だけは大盤振る舞いとばかりに、全長約55センチもある本物の大きな鯛(たい)が登場。出演者らは鯛の形をしたエコカイロを客席にまくなど観客にサービスした。さらに、この日の出演者の衣装にそれぞれ鯛色(オレンジや朱色)が使われており、堺さんは胸ポケットのハンカチ、仲間さんや松坂さんは着物の帯締めを「鯛色」にして、“めで鯛”づくしのイベントとなった。
イベントには他に、キャストの中村雅俊さん、草笛光子さん、西村雅彦さん、伊藤祐輝さん、藤井美菜さん、大八木凱斗君、森田監督も登場した。直之の義父役だった西村さんは「僕は猪山家の家族じゃないので非常にいづらいです。さっきも司会のお姉さんに『猪山家の皆様どうぞ』と言われて、じゃあおれはどこにいればいいんだと思いました。完成披露試写会のときも、のけ者にされて、また今日もかよ、という感じです」と話し、会場の笑いを誘った。映画は丸の内ピカデリー2(東京都千代田区)ほか全国で公開中。(毎日新聞デジタル)
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