注目映画紹介:「ウッドストックがやってくる!」 伝説のロックフェスを招致した青年の物語

「ウッドストックがやってくる!」の一場面 (c) 2009 Focus Features LLC.All Rights Reserved.
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「ウッドストックがやってくる!」の一場面 (c) 2009 Focus Features LLC.All Rights Reserved.

 アカデミー賞受賞歴がある監督の作品をまとめて上映しようという企画「Director’s Driven Project(監督主義プロジェクト)」の第1弾として「ブロークバック・マウンテン」(05年)で受賞したアン・リー監督の新作「ウッドストックがやってくる!」が15日から公開される。

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 69年に米国で開催され、いまでは伝説と化しているロックの祭典「ウッドストック・フェスティバル」。同年8月15日から3日間で、ジャニス・ジョップリンやジミ・ヘンドリックスら30組以上のミュージシャンが出演し、約50万人もの観衆が集まったという野外コンサートだ。そのロック史を語るうえでは避けて通れない“20世紀最大の祭典”がどのように開催され、周囲にどのような影響を与えたのかがつづられていく。

 とはいえこれは、音楽ドラマではない。フェスティバルを招致した34歳のいわゆる“負け犬青年”エリオット・タイバー(ディミトリ・マーティンさん)の家族の物語であり、彼自身が保守的な環境から自己を解放させる様子を描いた物語だ。そのため、会場ステージでの演奏シーンや、当時の再現映像などは一切ない。そういうものを目当てに劇場に足を運ぶと肩すかしに遭う。ウッドストックを知りたければ、それについてのドキュメンタリー作品などを見ればいい。これは、一人の若者の内なる変革を描いたヒューマンドラマであり、そこには、ニューヨーク州ウッドストックで開催されたと思われがちなこのコンサートが、実は、ベセルという小さな町で行われていたことなど、あまり世間には知られていない情報を得ることができる“おまけ”がついた作品だ。15日からヒューマントラストシネマ渋谷(東京都渋谷区)ほか全国で順次公開される。

 なお「監督主義プロジェクト」は、同作に続き、「ノーカントリー」(07年)のコーエン兄弟による「シリアス マン」(2月26日公開)、「アメリカン・ビューティー」(99年)のサム・メンデス監督による「お家(うち)をさがそう」(3月19日公開)が順次公開される。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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