話題のライトノベルの魅力を担当編集者が語る「ラノベ質問状」。今回は、妖（あやかし）がはびこる中国の殷を舞台に、やんちゃな少年の晄（こう）が、妖退治に立ちあがる場面から始まるファンタジー「東方妖遊記」（村田栞作、伊藤明十画）です。角川ビーンズ文庫編集部に作品の魅力を聞きました。

あなたにオススメ

“あの頃”のジャンプ：実写ドラマ化も話題「ウイングマン」　1983年を振り返る

　−−作品の魅力は？

　コミック化も決定！　加速度的人気の古代中華ファンタジー。

　「東方妖遊記」は、古代中国・殷を舞台にしています。平凡な少年が、殷の国王になっていくまでを、笑いあり冒険ありで描いた痛快なファンタジーです。おかげさまで、このたび、コミック化も決定しました。

　主人公の晄がいい子で、みんなに愛されているので、疲れたときに晄になりきって読むとかなり癒やされます（笑い）。もちろん、晄は将来王様になるので、大変な試練もありますが、仲間って素晴らしい！　と思える作品です。

　−−作品が生まれたきっかけは？

　作者の村田栞さんは、ビーンズ文庫の小説大賞出身で、長く活躍してくださっています。新作の打ち合わせの際、前作で少年主人公がとても魅力的だったので、男の子が活躍する物語を、とお願いしました。

　村田さんが迷われていたのは、中国の殷の時代と、日本の戦国時代。どちらにも興味を引かれたのですが、「妖をめいっぱい書いてみたい」というご希望もあり、妖と人と神が混在する古代中国の物語となりました。

　−−作家さんとイラストレーターさんはどんな方でしょうか。

　村田さんは、ほんわかとした癒やし系の先生。ペットの名付け方が独特で、3匹の猫の名前は、1号、2号、3号。カメの名前は亀有さん！　聞いたときには、思わず笑ってしまいました。

　イラストの伊藤明十さんは、「主人公の晄を生き生きと描ける方！」ということで、編集部一同、半ば一目ぼれのような形で、お願いすることを決定しました。イラストはデータですが、まるで手描きのように柔らかな雰囲気。ご本人もイラスト同様、凜（りん）としつつも柔らかな雰囲気をお持ちの、素敵な方です。

　−−編集者として作品にかかわって興奮することは？

　面白い原稿を読ませていただいた時には、この仕事をしていてよかったとしみじみ思います。最近楽しかったのは、「東方幼稚園」という絵本の制作です。全員サービスの商品として作っているもので、村田さんに掌編を書いていただき、それに合わせて伊藤さんに、キャラの幼稚園児姿を描いていただきました。すてきなお話だし、イラストもすごく可愛くて。お二人のご協力があるからこそ、こういうキャンペーンができるので、恵まれていると思います。

　−−今後の展開、読者へ一言お願いします。

　「東方妖遊記」は、痛快な冒険物語として、少年マンガ好きな方にお薦めしたい作品です。最新第5巻は2月1日発売予定ですので、ぜひお手にとってみてください！

　そして、1月24日発売の月刊ASUKA3月号より、コミック連載が開始されます！　

　マンガを担当するのは、「コードギアス　反逆のルルーシュ」全8巻の作画を担当した人気マンガ家のマジコ！さん。原作同様、面白い作品になっていると思います。よろしくお願い申し上げます！

　角川書店　ビーンズ文庫編集部