芥川賞:受賞作そろってトップ10入り

西村賢太さんの「苦役列車」の表紙(左)と、朝吹真理子さんの「きことわ」の表紙(右)
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西村賢太さんの「苦役列車」の表紙(左)と、朝吹真理子さんの「きことわ」の表紙(右)

 3日発表されたオリコン週間本ランキング(7日付)によると、西村賢太さんの第144回芥川賞受賞作「苦役列車」(1月26日発売、新潮社)が2万3000部を売り上げ、総合6位にランクイン。朝吹真理子さんの同賞受賞作「きことわ」(1月26日発売、新潮社)も1万9000部を売り上げ10位となり、そろってTOP10入りを果たした。

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 「苦役列車」は、友人も恋人もなく一杯のコップ酒を心の慰めに、その日暮らしの港湾労働で生計を立てる19歳・貫多(かんた)の日常を描いた私小説。「きことわ」は、25年ぶりに再会した貴子(きこ)と永遠子(とわこ)の積み重なる時間の層を、やわらかく力づよい文体で描いた作品。芥川賞受賞作発表時には両者の生い立ちやビジュアルの差が「美女と野獣」と評され話題になった。

 一方、第144回直木賞受賞作も好調で、前週(1月31日付)に100位圏外から39位に急上昇した道尾秀介さんの「月と蟹」(文藝春秋)は、週間1万4000部を売り上げ、17位に上昇。木内昇さんの「漂砂のうたう」(10年9月24日発売、集英社)も週間7000部で50位に初登場した。

 総合部門首位は、99歳の詩人・柴田トヨさんの「くじけないで」(昨年3月発売、飛鳥新社)が、週間4万部で4週連続首位。累積売り上げは85万5000部に達した。また、逮捕されるまでの2年7カ月の逃亡生活をつづった市橋達也被告の手記「逮捕されるまで空白の2年7カ月の記録」(1月26日発売、幻冬舎)が、週間2万7000部で4位にランクインした。(毎日新聞デジタル)

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