浅野忠信:観客とシェー!「自分がリセットされた気がします」

「これでいいのだ!!映画★赤塚不二夫」初日舞台あいさつでシェーを決める(左から)堀北真希さん、浅野忠信さん、阿部力さん
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「これでいいのだ!!映画★赤塚不二夫」初日舞台あいさつでシェーを決める(左から)堀北真希さん、浅野忠信さん、阿部力さん

 08年に亡くなったマンガ家・赤塚不二夫さんの半生を、担当編集者の目を通して描いた映画「これでいいのだ!!映画★赤塚不二夫」(佐藤英明監督)の初日舞台あいさつが30日、丸の内東映(東京都中央区)であり、主演の浅野忠信さんら出演者が登場した。赤塚さんのことは部屋にポスターを貼るくらい大好きだったという浅野さんは「撮影の初日に『スタッフのみなさん、一緒にシェーをやってください』と言ったら、見事にみんなやってくれて、すごくうれしかった。だからみなさん一緒にシェーってやってください!」と興奮気味に観客に呼びかけた。会場全員で「シェー」のポーズを決め、浅野さんは「おー!最高ですね! ありがとうございます! めちゃめちゃうれしいです」と満面の笑みを見せていた。

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 浅野さんは「この人だったら僕のことを分かってくれるんじゃないかと勝手に思っていて、(役が決まった時)赤塚さんが僕を選んでくれたんじゃないかと思った。大好きな人を演じるの初めてだったのでやりきりました!」と喜びを語った。演技については「僕がノーと言うことはあり得ない。僕がノーと言ったら、赤塚さんを否定することになる。赤塚さんを演じたことで、自分がリセットされた気がします」と自信を見せていたが、写真撮影の場面で報道陣に「シェー」ポーズを提案されると「いつ言われるかと……。現場ではいつでも『シェー』できる状態だったのに、今日はこんなにスーツでかっこつけているので逆に緊張しちゃいました」と照れていた。

 映画は、赤塚さんの担当編集者だった武居俊樹さんが35年にわたる赤塚さんとの濃い関係について書いた著書「赤塚不二夫のことを書いたのだ!!」(文芸春秋)が原作。映画「踊る大捜査線」シリーズの君塚良一さんが脚本を手がけた。1967年の小学館の入社式に、紫のスーツを着て、マンガ「天才バカボン」の登場人物「イヤミ」に扮(ふん)した赤塚不二夫(浅野さん)が登場し、社員全員で「シェー」のポーズを決めることに。その光景にぼうぜんとする新入社員の武田初美(堀北真希さん)は、その後、赤塚の担当となり、赤塚のハチャメチャな生き方に翻弄(ほんろう)されながらも、名パートナーになっていく……というストーリー。

 イベントには、浅野さんのほか、堀北さん、阿部力さん、木村多江さん、いしだあゆみさん、佐藤監督が登場した。堀北さんは「完成した作品は『これ本当に自分かな?』と思うような自分がいてびっくりしました。変なことたくさんやっている私たちを見て、たくさん笑っていただけたらいいな」と笑顔で話した。佐藤監督は「これを着ていると水戸黄門の印籠を持っている気分で無茶な注文を言えた。去年の5月1日から着始めたので。365日着続けたことになります」と赤塚さんの顔がプリントされたTシャツを披露し、「赤塚さんは誰も描かないマンガを描きたいと言った。僕も誰も見たことのないキャストの方々の演技をしてほしいと台本を書いた。みなさんは200パーセント以上で応えてくださった。それを確認してください」と力強くPRした。

 映画は全国で公開中。主題歌「ぶたぶた」は、09年に16年ぶりの復活を遂げた「ユニコーン」が担当する。(毎日新聞デジタル)

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