松山ケンイチ:週末は「福島でがれきの撤去」 25人との白熱議論で明かす

「マイ・バック・ページ」トークイベントで同世代の若者と本音をぶつけ合った松山ケンイチさん(左)と妻夫木聡さん
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「マイ・バック・ページ」トークイベントで同世代の若者と本音をぶつけ合った松山ケンイチさん(左)と妻夫木聡さん

 公開中の映画「マイ・バック・ページ」(山下敦弘監督)でダブル主演した妻夫木聡さん(30)、松山ケンイチさん(26)と山下監督(34)が8日、東京都内で行われたトークイベントに出席し、26~34歳の男女25人と75分間にわたって映画や映画の舞台となった70年代の日本についてなど、意見や感想をぶつけ合った。

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 松山さんは「(東日本大震災以降の動きを見て)この国に生きているという認識を強く最近は感じている。それが情熱や行動に変わっていくと思う」と話し出し、「僕自身の話ですが、土日のどちらか行けるときは車で福島にがれきを撤去しに行っている。バイトでは不まじめな人間だったけれどがれき撤去だけは時間を惜しんでせっせとやっている。それは全然苦ではなくて、なんとかしなきゃいけないとその状況を見ているから体が動く。(実際に)行って確認して、自分が何を思うか、何ができるのかを考えるのは今も昔も変わらないと思う」と映画に描かれている時代と今日の大震災以降の日本の状況を重ね合わせて熱く語った。

 また、妻夫木さんは芸能界に入って何もできないことに気づき、自分自身が情けなかったという自身の“挫折”経験を交えながら「挫折の経験は人を強くさせる。何かにトライするときって自分がまず踏み込まないといけない。自分から踏み込まないと出会わない出会いがある」と話し、「ふつふつと自分の中から沸き上がってくる何かがあれば、やらないで後悔するよりやって失敗して後悔する方がいい。映画を見てちょっとでも心を揺さぶれればいいかなと思う」とメッセージを送った。

 映画は、「週刊朝日」や「朝日ジャーナル」の元記者・川本三郎さんがジャーナリスト時代に取材した事件をつづったノンフィクションが原作。60年代後半に、理想に燃えながら新聞社発行の週刊誌編集部で働く記者・沢田(妻夫木さん)が、先輩記者とともに梅山と名乗る男(松山さん)と接触。男は「銃を奪取し、武器をそろえて、我々は4月に行動を起こす」といい、沢田は疑念を感じながらも、不思議な親近感を覚え、2人は急速に接近していく……という物語が展開する。忽那汐里さん、石橋杏奈さん、中村蒼さん、三浦友和さんらも出演。主題歌は米歌手ボブ・ディランさんの名曲「My Back Pages」を奥田民生さんと「真心ブラザーズ」がカバーした。

 集まった若者の中からも積極的に出演者や監督に意見を求めるなど“白熱”した議論が展開され、約75分間にわたったディスカッションは予定時間をオーバーして終了。妻夫木さんは「もっと話したかった」と名残惜しそうな様子で、松山さんも「こういうコミュニケーションの中で新しい発見や感覚が生まれてくると思う。最後は(映画のせりふにある)『生きてりゃいいんだよ』ってことだと思う」と締めくくった。映画は全国で公開中。(毎日新聞デジタル) 

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