しずちゃん：古川宇宙飛行士からのエールに「はやぶさ精神で頑張る」　「はやぶさ」宇宙試写会

　お笑いコンビ「南海キャンディーズ」のしずちゃんこと山崎静代さんが27日、地球上空約400キロに位置する国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」で27日、映画「はやぶさ／HAYABUSA」（堤幸彦監督、10月1日公開）の宇宙試写会の様子を筑波宇宙センター（茨城県つくば市）で見学。12年のロンドン五輪を目指し、絶対にあきらめない“はやぶさ精神の体現者”として選ばれた山崎さんは、古川聡宇宙飛行士から「ボクシングもはやぶさ精神で頑張ってください。ネバーギブアップ！」とエールを送られ、「はやぶさ精神であきらめず、何が起ころうと頑張っていきたいと思います！」と力強く語った。

あなたにオススメ

“あの頃”のジャンプ：実写ドラマ化も話題「ウイングマン」　1983年を振り返る

　宇宙試写会は、米航空宇宙局（NASA）経由の衛星回線を利用してデータ通信を行い、筑波宇宙センターから古川さんのパソコンに、約9分間の同映画ダイジェスト版を送信。限られた時間での「フッテージ上映」だったが、無重力空間で真剣な表情で試写を見る古川さんの映像は鮮明でスムーズなもので、試写会は大成功。拍手が起き、涙を見せる人もいた。今回の企画は「きぼう」でさまざまな実験に従事し、多忙な日々を送る古川さんに、「はやぶさ」の快挙を描く映像でエールを送りたい、という映画関係者からのオファーが実り実現。公開前の映画が宇宙で試写されるのは世界初の試みだという。

　映画は、はやぶさプロジェクトの7年間にわたる挑戦と苦闘の日々を事実に基づき描き出す物語。竹内結子さん演じる恵は宇宙科学研究所のスタッフとして、この偉業の一端を担う。恵をスタッフとして迎える上司・的川教授を西田敏行さんが演じるほか、高嶋政宏さん、佐野史郎さん、鶴見辰吾さんらが出演する。

　筑波宇宙センターには、イオンエンジン開発責任担当者を演じた俳優の鶴見さんと、宇宙航空研究開発機構（JAXA）の的川泰宣名誉教授とJAXA執行役の長谷川義幸さんも登場した。試写会を見守った山崎さんは、「宇宙がどんなところか想像できない中で、あんな鮮明に声が聞こえたり、動きが見られるのがすごく不思議。宇宙とつながってると思うとテンションが上がりました」と興奮気味に話した。古川さんについて、山崎さんは、「予想以上に古川さんの目が可愛かった」とちゃめっ気たっぷりに話した。

　鶴見さんは「不思議な体験ですよね。宇宙でのミッションを物語にして、地上で作って、それをまた宇宙で見る。逆輸入みたいですね」とコメント。古川さんから、「声は届いていますか？　宇宙での試写会は世界初ではないでしょうか」と呼びかけられたことについて、鶴見さんは「こんな体験ないですよね。子供のころからの『いつか宇宙に行ってみたい』という夢に近づいたような、自分も宇宙に行ったような感じです」と目を輝かせた。また、「大きい障害を目の前に、根気よく希望を持って戦い続けたあきらめない精神を感じていただければ」と映画をアピールした。

　国際宇宙ステーションは、米、ロシア、欧州、カナダなど世界15カ国が参加する国際協力プロジェクトで、地上から約400キロ上空に建設される巨大な有人実験施設。日本初の有人施設「きぼう」日本実験棟では、宇宙だけの特殊な環境を利用したさまざまな実験・研究、地球や天体の観測などを行っている。映画は、10月1日公開予定。（毎日新聞デジタル）