映画「ヒミズ」(園子温監督)に出演し、第68回ベネチア国際映画祭で日本人初のマルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人俳優賞)を受賞した染谷将太さん(19)と二階堂ふみさん(16)が11日、東京都内で緊急会見を開いた。主演した染谷さんは「授賞式終わった直後に(園監督が)電話をくださった。本当なのかと一瞬疑いました。今でもふわふわしている。会見をやって(受賞の)実感がわいてきてる」とコメント。ヒロインを務め、染谷さんから受賞の報を聞いたという二階堂さんは「今でも実感がない。うそなんじゃないかって今でも思う」と語った。
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染谷さんは92年9月3日生まれ。9歳で映画「STACY」に出演し、俳優活動をスタートさせ、09年の映画「パンドラの匣(はこ)」で長編映画に初主演した。映画、ドラマを合わせて50作以上に出演している。今年のモントリオール映画祭でイノベーション賞を受賞した映画「アントキノイノチ」(瀬々敬久監督)、ロカルノ映画祭で審査員特別賞を受賞した映画「東京公園」(青山真治監督)にも出演している。
二階堂さんは94年9月21日生まれ。フリーペーパー「沖縄美少女図鑑」で表紙を飾り話題となる。14歳で映画「ガマの油」(役所広司監督)のヒロインを務め、連続ドラマ「熱海の捜査官」(テレビ朝日系)、映画「劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ」(入江悠監督)などに出演している。
染谷さんは、園監督から電話を受ける前に、インターネット上での情報で受賞を知ったという。二階堂さんは、意識していなかったというが「でも眠れずに、友達に連絡していた。(受賞の連絡は)すごい高いテンションで染谷から電話をもらった」と受賞を知った瞬間を振り返った。
染谷さんは「受賞したぼくらは日本人。日本人に賞を今もらうって意味があると思う。懸け橋になれたらうれしい」とコメント。自分へのごほうびはと聞かれると「この場にいることがごほうび」といい、同賞の歴史に名前が刻まれたことを「単純にうれしいですし、僕は子役からやっていて、まさかこんなふうになるとは思っていなかった。少しでも日本の映画界、テレビドラマ、演劇界が盛り上がったらうれしい」と話した。
二階堂さんは「もうすぐ誕生日。最高の誕生日をむかえられる。おいしいもの食べたいな。和菓子が好きなので和菓子が食べれたらいいなって思います」と16歳の少女らしいコメントではにかみ、「女優になりたいと思ったときから、とにかく世界に出たいと思っていた。今回、評価されて、夢がかなったとかじゃなくて、また一歩大きく進んだと思います。いろんなことを学んで知って、感じたことを大事にして生きていく」と気持ちを新たにしていた。
「ヒミズ」は、ギャグマンガ「行け! 稲中卓球部」で知られる古谷実さんが、ギャグを排して描いたシリアスな同名の青春マンガが原作。マンガは、01~03年に「週刊ヤングマガジン」(講談社)で連載され、コミックスは全4巻が発売されている。平凡な人生にあこがれる中学3年の少年・住田祐一が、ある事件をきっかけに心に闇を抱え、学校へ行かずに「悪いやつ」を探すようになる……というストーリー。園監督は今回初めて原作の実写化を手がけた。12年春にシネクイント(東京都渋谷区)ほか全国で順次ロードショー予定。(毎日新聞デジタル)
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