注目映画紹介:「ブリッツ」 ジェイソン・ステイサムの英国版「ダーティーハリー」

「ブリッツ」の一場面(C) 2010 Blitz Films Limited.
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「ブリッツ」の一場面(C) 2010 Blitz Films Limited.

 「トランスポーター」シリーズ(02~08年)や「アドレナリン」(06年)、「エクスペンダブルズ」(10年)などで知られるジェイソン・ステイサムさん主演の英国発刑事アクション「ブリッツ」(エリオット・レスター監督)が15日に封切られた。警官を天職といい切り、犯罪者には容赦ないステイサムさん演じる刑事ブラント。上司にとっては目の上のたんこぶ、しかし市民にとっては正義の味方の彼が、ロンドン市内で起きた警官ばかりを狙った連続殺人事件の犯人を追い詰めていく。

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 タイトルの“ブリッツ=BLITZ”とは、連続殺人犯が名乗る名前で、辞書での意味は「電撃的な攻撃を加える」「稲妻」。そのブリッツが、有名になることを目論み、タブロイド紙の記者に自分の情報を流して記事を書かせるから見ているこちらも癪(しゃく)に障る。犯人役のアイダン・ギレンさんは、若き日のゲイリー・オールドマンさんを彷彿とさせ、その不気味な容姿と変人性が、腹立たしさを増幅させる。

 いってみれば、英国版「ダーティハリー」。犯罪者には容赦ないブラントが、正義感の強さゆえに悪者をボコボコにする姿には、正直スカッとさせられる。彼とコンビを組むことになるナッシュ巡査(パディ・コンシダインさん)がゲイで、最初は反発していたブラントが、ナッシュの過去を知ったことで逆に信頼を寄せ、歩み寄る。その奇妙な関係から、ハードなバディムービーと見ることもできる。

 英国ならではのどんよりした空気を漂わせながら、しかし物語の展開はあくまでもスピーディだ。ステイサムさんからにじみ出る男くささと無骨さ、それでいてスマートでセクシーな魅力が、作品の面白さに磨きをかけている。15日から新宿バルト9 (東京都新宿区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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