「闇金ウシジマくん」などで知られる真鍋昌平さんの同名マンガを、妻夫木聡さん、永瀬正敏さんらの共演で映画化。妻夫木さん扮(ふん)する役者志望の25歳のフリーター砧涼介は、つまらないもうけ話に乗ったばかりに多額の借金を背負うことに。借金返済のために彼がすることになったのは、ジョー(永瀬さん)とジジイ(我修院達也さん)という2人の男が仕切る運送屋の仕事。実は、彼らが依頼される荷物はいつもヤバい品物ばかりで、砧は初仕事でヤクザの組長の死体を運ぶことに。一方、組長を殺された組織の幹部らは、犯人を見つけ出そうと動き出す……。
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「鮫肌男と桃尻女」(99年)や「PARTY7」(00年)などで知られる石井克人監督が手がけた。彼の映像センスは独特。CMディレクターとしての経験が生きていると思われるが、今回もハイスピードカメラやCG(コンピューターグラフィックス)を駆使し、濃厚な石井ワールドを築き上げている。一方、コミカルな演出も独特のもので、死体の運び屋の話である今作には、それは不釣り合いのように最初は感じられたが、後半になるにしたがって痛々しい描写が増え、終盤には目を背けたくなるほどのシーンが用意されており、前半の軽さと後半の重たさによって、作品のバランスが取れている。
登場人物は多いが、きちんとそれぞれの場所で立っていることにも注目だ。ここでは、妻夫木さんも、永瀬さんも、殺されたヤクザの組長の妻の満島ひかりさんも、便利屋役の松雪泰子さんも、殺し屋役の安藤政信さんも、すべてが主人公。その中で特筆したいのが、ヤクザ役の高嶋政宏さん。近作「探偵はBARにいる」での実弟、高嶋政伸さんの怪演もさることながら、今回の政宏さんの狂人ぶりには目を見張るものがある。なお「スマグラー」とは「密輸者」の意味。22日から新宿バルト9 (東京都新宿区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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