ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
話題の小説の魅力を担当編集者が語る「ブック質問状」。今回は、古書店の美しい女性店主と武骨な青年店員が織りなすミステリー「ビブリア古書堂の事件手帖」(三上延著、越島はぐ画)です。アスキー・メディアワークス第2編集部の高林初さんに作品の魅力を聞きました。
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−−この作品の魅力は?
口コミ、書店様から話題となり、ベストセラーとなったビブリオミステリーです。
鎌倉の片隅にひっそりとたたずむ古書店「ビブリア古書堂」。その店主は意外なことに若く美しい女性です。彼女は初対面の人とはまともに口もきけないほどの人見知り。ですが、古書のことになると人が変わります。その博識ぶりで本について延々と語り続けてしまうことも。
そんな彼女が、持ち込まれた古書にまつわる謎と秘密を、その卓越した知識で解き明かしていくのが本書の醍醐味(だいごみ)です。登場するのは実在の古書なので、その蘊蓄(うんちく)も興味深く楽しんでいただけるはず。「古い本にはそのものに物語がある」。その言葉の通り、本に込められた人々のドラマも心を打ちます。おかげさまで、シリーズ化が決定いたしました。
−−作品が生まれたきっかけは?
著者の三上先生は作家デビューをされる前に、古書店で働かれていたご経験があります。それを作品に生かせないかとずっと思っていらっしゃったそうです。その折、ちょうどメディアワークス文庫というレーベルを弊社が創刊することになりました。電撃文庫の想定読者より年齢が高い層にも楽しんでいただけるレーベルを目指しておりましたので、古書という題材も受け入れられるのではと思われたそうです。
−−作家さんはどんな方でしょうか?
三上先生は本とお酒が好きな方です。作品の題材が「本」ですので、この頃は資料的な意味で読まれることも多いそうです。「ビブリア古書堂」でご紹介なさっている本は、すべてご自身で読まれて面白かった作品だとおっしゃっていました。
あと、ご友人の作家さんから、非常にお料理が上手だとうかがったことがあります。公園で自家製くん製器を使ってくん製を作ったことがあるというお話もあったような。
−−編集者として、この作品にかかわって興奮すること、逆に大変なことについてそれぞれ教えてください。
やはり、読者の皆様から「面白かった」とおっしゃっていただけることでしょうか。そのために、作家さんもイラストレーターさんも頑張っていらっしゃると言っても過言ではないので。担当としては、作家さんが安心して続けられるシリーズになると、非常に安堵(あんど)するという気持ちもあります。大変なことは何事にもあるので、あまり「大変」だとは思わないようにしております。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
読者の皆様のおかげでシリーズ化が決定し、第3巻は12年春には刊行予定です。また、こちらの作品の特徴としては、書店員の皆様が強くプッシュしてくださったということがあります。本のプロの方は間違いなく本がお好きな方ばかり。そういった方々が「本を読んでほしい」という気持ちでご紹介くださったのがとてもうれしかったです。皆様のご声援に応えられるよう、編集部も三上先生をサポートしていきます。
アスキー・メディアワークス 第2編集部 高林初
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