俳優の水谷豊さん(59)と妻で女優の伊藤蘭さん(57)が13年公開の映画「少年H」で初の夫婦役で出演することが明らかになった。2人の共演はドラマ「事件記者チャボ!」(83~84年)以来28年ぶり。水谷さんは「夫婦共演が実現したのも『少年H』の力にほかなりません」、伊藤さんは「これまで想像もできなかった夫婦共演ですが、30年という月日を経て、またともに一つの目標に向かえるということは大きな喜びです。新鮮な気持ちで臨みたいです」とコメントを寄せている。脚本は「相棒」シリーズや映画「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズなどの古沢良太さんが手がける。
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「少年H」は97年に出版された妹尾河童さんの自伝的長編小説で、上下2巻の累積発行部数340万部以上のベストセラー小説。美しく異国情緒あふれる神戸の街が戦争によって荒廃する中、自分の眼で見て、自分の頭で考えて自分の言葉で語ることの大切さを教える父とどんな苦境の中でも「愛」を忘れず夫を信じ、子供を慈しむ母の元で強くたくましく育っていく少年Hの姿が描かれている。映画「鉄道員」(99年)、「あなたへ」(12年秋公開)の降旗康男監督が手がける。
原作者の妹尾さんはこれまで映画化のオファーを断っていたというが、目の前に現れた降旗監督とHの父親役を望む水谷さんを見て、さらに母親役が伊藤さんと知り「映画化された『少年H』を僕も早く見たい。最高の配役だ」と歓声を上げたという。降旗監督は「戦前と戦後で価値観が全く変わってしまった日本で、ぶれずにあきらめずに信念を持って生き抜いた少年Hたち家族の姿に感動した読者の一人として、そのさわやかな感動をフイルムに焼き付けたい一念で準備を進めてきました」と意気込みを語っている。
クランクインは5月1日、クランクアップは6月末を予定しており、神戸や茨城などで撮影するほか韓国でのロケも予定しているという。(毎日新聞デジタル)
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