カンヌ、ベルリン、ベネチアの世界三大映画祭を制覇した韓国の鬼才キム・ギドク監督が、自分で自分にカメラを向けたセルフドキュメンタリー「アリラン」が公開中だ。ここ数年、映画が撮れなくなって引きこもっていたというキム監督。「自らを悟る」という意味を持つ朝鮮民謡「アリラン」をがなり声で歌う姿に、もがく男の姿があった。
あなたにオススメ
“あの頃”のジャンプ:実写ドラマ化も話題「ウイングマン」 1983年を振り返る
キム・ギドク監督は、雪深い山間の一軒家で独居生活を送っていた。映画が撮れなくなった理由を語り出す。オダギリジョー主演の「悲夢」(08年)撮影中に、女優があわや命を落としかける事故が発生した。女優は助かったものの、精神的ショックを受けた。また、スタッフの裏切りも重なり脚本が書けなくなったという。「なんでもいいから撮れ」という自分と「何が見せられるのか分からない」という自分、「映画を撮りたいんだ」という自分。三つの視点から心境が語られる。
映画監督の引きこもりドキュメンタリーという異色作だが、これがどうして、エンターテインメント作品になっている。冒頭、どんな場所でどんな生活ぶりなのかがテンポよくつづられる。田舎の小屋で酒びたりになっている自分を叱咤(しった)激励してみたり、自分の影が出てきて自問自答したりという演出がさえている。国家という枠の中で芸術に関わる難しさに苦悶するギドク監督は、とことん自分が好きな芸術家だった。
それにしても、なんだか孤独を楽しんでいるようにも見える。小屋の中のテントで寝起きし、猫が相棒、手作りコーヒーメーカーで沸かすコーヒーに鍋からじかに食べるラーメン……。これって、もしや男性があこがれる生活では? 映画論を語っているところに、焼き魚を食べているシーンを組み合わせる斬新さ。これも「映画=生きること」ということなのか。監督の決意表明のようなラストに拍手を送りたい。シアター・イメージフォーラム(東京都渋谷区)ほか全国で順次公開中。(キョーコ/毎日新聞デジタル)
1994年に公開された特撮映画「ヤマトタケル」に登場するウツノイクサガミのソフトビニール製フィギュア「東宝マニアックス ウツノイクサガミ」(プレックス)が発売される。価格は880…
特撮ドラマ「ウルトラマン」シリーズの新作「ウルトラマンアーク」の映画「ウルトラマンアークTHE MOVIE 超次元大決戦!光と闇のアーク」が製作され、2025年2月21日に公開さ…
1995年公開の映画「ゴジラVSデストロイア」に登場したバーニングゴジラのソフトビニール製フィギュア「GVA-BC ゴジラ1995 Frog Tree 250(バーニングレッド)…
スカーレット・ヨハンソンさんとチャニング・テイタムさんが主演を務め、アポロ計画の裏側と奮闘を描いた映画「Apple Original Films『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』…
ディズニー・アニメーション・スタジオの最新作「モアナと伝説の海2」(12月6日公開、デイブ・デリック・ジュニア監督ほか)で主人公モアナが楽曲「ビヨンド ~越えてゆこう~」を歌う劇…