放送中のNHK大河ドラマ「平清盛」で、源頼朝を演じ、またドラマの「語り手」としての役割も果たしている俳優の岡田将生さん。初回で登場したあと、8月5日放送の第31回で再登場した頼朝役への思い入れや杏さんが演じる頼朝の妻の北条政子などについて話を聞いた。(毎日新聞デジタル)
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「平清盛」は、武士が貴族たちから差別されていた時代、平清盛(松山ケンイチさん)が日本の覇者を目指す姿を描く。岡田さんが演じる頼朝は平治の乱の後、伊豆に流され傷心の日々を送っていたが、妻の政子(杏さん)と出会い、その支えもあって奮い立ち、挙兵を決意する。18日放送の第45回「以仁王の令旨」は、各地で平家への不満がくすぶり始め、ついに後白河法皇の子・以仁王が平家討伐に向け動き始める……というストーリーが展開される。
岡田さんが頼朝として参加する撮影現場は、“平家チーム”に比べれば登場人物は少ないものの、頼朝の側近役の塚本高史さんや北条時政役の遠藤憲一さん、杏さんらに支えられ「少人数ならではの深いチームワーク」を感じながら頼朝を演じているという。「芝居をしていて楽しい。僕が引っ張っていかなくてはという自覚が自然にわき上がってくる」と意欲を見せる。
頼朝について、演じるまでは「力強いリーダー」というイメージがあったというが、実際に演じてみると、「頼りなく、いつも悲しそうな顔をしているのが印象的。でも人として魅力的な人だと感じた」という。特別番組の企画で鎌倉を訪れた際も、敵を迎え撃つ工夫が施された町の作りを目の当たりにして、「力だけでのし上がった人ではないことを実感した」という。「(頼朝は)人を拒絶しているところから少しずつ周りに目を向けていく。何もしていなかった生活から一気に挙兵に向かうという過程で、(演技に)強弱をつけることを意識して演じたい」と意気込んだ。
頼朝にとって政子は頼もしいパートナーだが、岡田さんは2人の関係について「変えていこうという人(政子)と変わらないと思っている人(頼朝)の対照的なところが面白い」と表現する。「政子にはまだ大人になり切れていない女性の魅力がある。現実を見て、その現実を受け止める頼朝に対して、政子はそこまではいっていない。何も考えずに行動してしまうところが政子にはあると思うけれど、それが何かを“変えていく”ことにつながっているのかもしれない」と分析。さらに「対して頼朝は考えすぎてしまうがゆえに一歩踏み出せない。そんな頼朝にとって政子は、考えすぎてしまう自分を忘れさせてくれるような存在。だからこそ頼朝は政子に引かれたのではないか」と語った。岡田さんにとって頼朝と政子は“理想の夫婦”といい、「支えてくれて、背中を押してくれる女性っていいなあと思う」とはにかんだ。
一方、語り手としてもドラマを見つめてきた岡田さんだが、松山さん演じる主人公・清盛は「熱量がすごく、回を重ねるたびに強くなっていった」ことをひしひしと感じたという。「芝居では松山さん演じる清盛には会っていない」という岡田さんは「『どうして会わせてくれないんだ?』って思います」と笑いながらも「芝居をしている松山さんに会ってみたいし、清盛役は松山さん以外考えられないですね」と力を込めた。
「平清盛」はNHK総合で毎週日曜午後8時に放送。(毎日新聞デジタル)
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