SPECIAL EDITED VERSION 『ONE PIECE』魚人島編
第8話 弱虫で泣き虫!人魚姫しらほし
12月22日(日)放送分
話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、宮崎克さん作、吉本浩二さん画の「ブラック・ジャック創作秘話~手塚治虫の仕事場から~」です。「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)編集部の切通修司さんに作品の魅力を聞きました。
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−−この作品の魅力は?
「ブラック・ジャック創作秘話~手塚治虫の仕事場から~」は、“マンガの神様”手塚治虫先生が代表作「ブラック・ジャック」を執筆された時期の仕事現場を、当時のアシスタント、マネジャー、担当編集者、アニメスタッフなど多くの関係者の証言でつづる実録コミックです。宝島社「このマンガがすごい!2012」オトコ編第1位を獲得したほか、数々の媒体で紹介されて話題になりました。マンガ家の吉本浩二さんが描く手塚治虫先生は、“神様”だけど人間臭くて、スゴイけどトンデモなくて、えも言われぬ味わいがあります。ぜひ味わってください!
−−作品が生まれたきっかけは?
企画は「週刊少年チャンピオン」編集長が以前からあたためていたものです。秋田書店の上司や先輩から聞かされた、手塚先生と「ブラック・ジャック」にまつわる興味深いエピソードはマンガになるのではないかと。2009年は手塚治虫先生の生誕80年、そして「週刊少年チャンピオン」創刊40周年の記念の年でした。その記念企画のひとつとして、このタイミングでマンガ化が実現することになりました。
原作者は「ヤングチャンピオン」で実録マンガ「松田優作物語」を書かれた宮崎克さん、マンガ家は「昭和の中坊」で泥臭く思春期男子を描いていた吉本浩二さんにお願いしました。当初は単発の読み切り企画のつもりで取材に入ったのですが、予想以上に充実した取材になったために、急きょ2号連続の掲載になりました。
−−編集者として作品を担当して、今だから笑えるけれど当時は大変だった……、もしくはクスッとしたナイショのエピソードを教えてください。
第1話の原稿を吉本先生から受け取った時は絶句しました。手塚先生のキャラクターデザインが大胆すぎて。「これは怒られる」と思いました。でも熱のある原稿でした。机に向かって原稿を描いている絵なのに、アクションシーンのような熱気がありました。正直ドキドキしながら校了したのですが、当時の新入社員が「すごくおもしろい」と言ってくれたのがうれしかった。人気アンケートでも1位を取って、編集長と祝杯をあげました。今思うと手塚先生のキャラクターがもっとキレイだったり写実的だったりしたら、この作品のマンガとしてのパワーはここまでではなかった。吉本先生のあの絵が正解だったんだと思います。
−−今後の展開は?
「別冊少年チャンピオン」(毎月12日発売)での連載は、5月12日発売の6月号で終了です。最終話では「ブラック・ジャック」誕生時のエピソードが描かれています。大変な好評を得ていますし、可能であれば永遠に連載を続けたいという思いもあるのですが、手塚治虫先生の名前をお借りして作品を発表するわけですから、やはり相応の品質が求められます。今後テレビドラマ化が予定されているので、放送のタイミングに合わせて雑誌に掲載するため現在準備中です。
作中にも登場し、壁に穴をあけている元・手塚番の青木さんは「ブラック・ジャック」をもっとも長く担当された方なのですが、とても照れ屋なので、取材での私たちの質問を「もう忘れた」とはぐらかしてしまいます。青木さんがいろいろと思い出してくれると、まだまだマンガにできるエピソードがあるのではと思っています。
−−読者へ一言お願いします。
この作品は、天才作家の伝記であり、締め切りと品質の間で奮闘する仕事人の話です。手塚治虫ファンの方、マンガ好きの方はもちろん、普段マンガを読まない方々にも楽しんでもらいたい。仕事の納期でも、学校の宿題でも、何らかの締め切りと向き合うすべての人に何かを感じてもらえるとうれしいです。熱くて、笑えて、きっとやる気を刺激してくれる、そんな作品だと思っています。
テレビドラマの放送時期やキャスト等詳細については、今後「週刊少年チャンピオン」及び「別冊少年チャンピオン」誌上で発表していきます。誰が手塚先生や壁村編集長を演じるのか、きっと皆さんに驚いていただけると思います。どうぞお楽しみに!
週刊少年チャンピオン編集部 切通修司
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