コスプレ:米トレンドに異変 台頭する海外作品

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 コスプレは、日本のアニメやマンガとともに海外で人気を集めており、海外のアニメ、マンガ関連のイベントには多くのコスプレーヤーが参加している。例えば米国のイベントの場合、「NARUTO −ナルト−」「ファイナルファンタジー」など日本の人気コンテンツのコスプレが圧倒的多数を占め、人気を集めてきたが、近年は米国のマンガの衣装を着たコスプレーヤーも台頭しつつあるという。米コスプレシーンに何が起こっているのか? このほど、米国で開催された二つのイベントにゲストとして出演したコスプレタレントの綾川ゆんまおさんに現地の様子をリポートしてもらった。(毎日新聞デジタル)

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 ◇イベントはホテルや大学キャンパスで開催

 近ごろ、国内のイベントでも海外から参加しているコスプレーヤーさんを見かけることが多くなってきましたね。彼らは「日本のイベントは人が多くてエネルギッシュでエキサイティング!」と言います。でも、彼らの国で開催されているイベントにもとても面白いものが多いのです。私は、6月に米バージニア州ノーフォークで開催された「Anime Mid−Atlantic(AMA)」とミシガン州アレンデールで開催された「JAFAX」にゲストとして出演し、ライブステージパフォーマンスやコスプレコンテストの審査員、理事を務めている日本メイド協会の公式講義などをさせていただきました。

 AMAは今年、13回目を迎えたイベントで、6月14~16日にチェサピーク・カンファレンスセンターやホテル「マリオット・ノーフォーク・チェサピーク」と併設されている施設で開催されました。今回で18年目を迎えるJAFAXは、6月22~23日にグランドバレー州立大のキャンパスを貸し切って行われました。日本のイベントのことを考えると、大学のキャンパスで行われるのは、特殊かもしれません。

 ◇コスプレは「Homestuck」が大人気!

 AMAとJAFAXには、たくさんのコスプレーヤーが参加したわけですが、日本のアニメやゲームのコスプレが多かったこれまでと違い、今回は大きな変化がありました。私の印象では、ここ1~2年で米国の作品のコスプレをする人は驚くほど増えています! 特に多かったのが「Homestuck(ホームスタック)」というウェブマンガのコスプレ。今、米国で大人気の作品だそうです。ほかにも米国のマンガ、ゲーム、映画のコスプレが明らかに増えていて、コスプレーヤーの数が作品の人気の傾向に反映されるバロメーターになると言われていることを考えると「日本の作品の人気、危うし!?」とちょっとした危機感を覚えました……。

 ただ「NARUTO −ナルト−」「BLEACH」「ゼルダの伝説」「ファイナルファンタジー」などのマンガやゲームを筆頭に日本の作品の人気も根強く、コスプレーヤーの数は圧倒的でした。米国のアニメファンの心が、日本の作品から離れてしまった……というわけではなさそうですが、「日本の作品が世界一愛されていてほしい!」と願ってしまうのは私のワガママでしょうか?

 ◇日本のイベントとの違いは?

 二つのイベントでは、日本ではなかなかない環境でコスプレを楽しめました。AMAにはホテルのラウンジのテーブルセット、バーカウンターがあるのでリッチな雰囲気を楽しんだり、JAFAXでは大学内の講堂や通路、ロビー、庭園の広くてきれいな芝生やオブジェを利用して撮影していました。海外のイベントは、日本とは違った雰囲気で面白いですね! 環境を楽しむ現地のコスプレーヤーさんたちもやっぱり魅力的です。

 ほかにも、両イベントでは同人誌即売会やコスプレコンテスト、ダンスパーティーが開催されたほか、ボードゲームを楽しめるスペースや企業が出展するブースなどもありました。同人誌即売会は日本と違って、2次創作がメーンではなく、オリジナルのマンガやグッズ、アクセサリーなどが多いようです。また、AMAの企業ブースでは、パンク系やロリータファッションが根強い人気でした。これまで大人気だったビジュアル系のグッズやファッションは少し落ち着いたようで、代わって韓流やK−POPの関連グッズのショップが盛況でした。JAFAXは、メイド&執事カフェに行列ができるなど、さまざまな独自企画が盛り上がっていました。

 夏は、先日開催されたコミケ(コミックマーケット)のほか、東京ゲームショウなどコスプレーヤーが参加できるイベントが続きます。アニメやマンガ、ゲームを愛する気持ちは世界共通! 海外から来るファンやコスプレーヤーにも注目してみてはいかがでしょうか?

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