ゲームショウ前日の9月18日、セガサミーホールディングスはインデックスを買収、主要事業を移管することを発表しました。買収額の公式発表はありませんでしたが、一部報道によれば約140億円といわれています。「アトラス」ブランドの行方について落としどころがセガに決まったことは、ゲームファンにも朗報だったでしょう。私もベストなマッチングが実現したことをうれしく思います。
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ただ私見を述べるなら、アトラスブランドのソフト以外の値打ちを考えると、買収額はやや懐疑的です。一時期、買収で一番高いオファーは200億円という報道がありましたが、あり得ない金額だと思いました。インデックスの負債総額は245億円ですから、買収金額が推測通りであれば半分以上をセガサミーが拠出したことになります。インデックスの落合正美社長とセガサミーの里見治会長兼社長の従前からの交流から推測するに、温情的なものもあったのかもしれません。
現在、セガは総合エンターテインメント企業ですが、ルーツは業務用ゲームソフトにあります。つまりコインを入れて、数分の時間を楽しませるという文化で、それは今も脈々と流れています。かつて業務用ゲームを統括した鈴木久司常務(当時)の言葉を借りれば「走って(レース)」「飛んで(フライ)」「撃って(シュート)」という3パターンの人間の本能に訴えるようなゲームが主流でした。もちろん「龍が如く」や「戦場のヴァルキュリア」などのストーリー重視のコンテンツもありますが、その数はまだまだ不足しているのが現状です。
ゆえに、今回のインデックス、つまりアトラスのブランド獲得には大きな意味があると思います。「世界樹の迷宮」や「ペルソナ」シリーズは、従来のセガになかったタイプですし、両ブランドの交流から新しい作品が生まれることも期待できます。セガの「走って」「飛んで」「撃って」の要素に加え、「考えて(シンク)」遊ぶという要素が入ることで、セガのブランドバリューは向上するはずです。
ソーシャルゲームというジャンルが沈静化した今、セガは、娯楽の先端を提示できる組織となったといえるでしょう。さらなる活躍、躍進に期待したいと思います。
くろかわ・ふみお 1960年、東京都生まれ。音楽ビジネス、ギャガにて映画・映像ビジネス、セガ、デジキューブ、コナミDE、にてゲームソフトビジネス、デックス、NHNjapanにてオンラインゲームコンテンツ、そしてブシロードにてカードゲームビジネスなどエンターテインメントビジネスとコンテンツの表と裏を知りつくすメディアコンテンツ研究家。コラム執筆家。黒川メディアコンテンツ研究所・所長。黒川塾主宰。現在はインディーズゲーム「モンケン」を制作中。
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