ドラマからドキュメンタリー、バラエティー、アニメまで、さまざまなジャンルのテレビ番組を、放送前に確認した記者がレビューをつづる「テレビ試写室」。今回は、初回の平均視聴率が17.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と今期ドラマで最高のスタートを切り、その後も好調をキープした女優の杏さん主演の連続ドラマ「花咲舞が黙ってない」(日本テレビ系)の最終回(18日午後10時放送)だ。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
大手銀行を舞台に、事件や不祥事を起こした支店に赴き、解決に導く本部の「臨店班」に異動を命じられた杏さん演じる主人公の花咲舞が、上司・相馬健(上川隆也さん)とコンビを組んで、現金紛失や情報漏えい、セクハラなど支店のトラブルを解決する。最終回となる第10話では、取引先企業の従業員1万人分の給与データが紛失するという銀行始まって以来の不祥事に、舞と相馬が立ち向かう。
問題解決のため、舞がついつい「黙ってられず」一肌脱ぐのはこれまでと同様の流れだが、ついに舞たち臨店班の活躍を苦々しく思っていた真藤本部長(生瀬勝久さん)との直接対決にもつれ込む。舞と真藤本部長との対決も見どころの一つだが、これまで銀行の“おかしいこと”を変えてきた舞が、ふと立ち止まって、これまでの自らの行動について思い悩んだり、働くことの意味を考えるシーンには、「あるある」とうなずいてしまう。スーパーウーマンとしての舞だけでなく、悩める等身大のヒロインを描いたことが視聴率好調の要因か。
全話を通して見ると、舞が黙っていられずに理不尽な上司や人物に臆することなく「お言葉を返して」こられたのは、舞を信頼し、陰で支えてきた上司の相馬をはじめ、家族、同期の行員の存在が大きかったのだなあと改めて思う。会社は選べるけれど、上司は選べない。だからこそ、“味方”に恵まれている舞をうらやましいと思ってしまうのは記者だけではないはず。続編を期待したい。
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