注目映画紹介:「サスペクト 哀しき容疑者」コン・ユが熱演する緊迫のチェースアクション

(C)2013 SHOWBOX/MEDIAPLEX AND GREEN FISH ALL RIGHTS RESERVED.
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 「トガニ 幼き瞳の告発」(2011年)のコン・ユさんが主演する韓国のアクション大作「サスペクト」(ウォン・シニョン監督)が13日に公開された。コンさんが演じるのは、妻子を殺され、北朝鮮に見捨てられた元特殊部隊の工作員。男同士の因縁の対決を軸に、孤高の男が復讐(ふくしゅう)のために容疑者を追いながらも、自らも殺人の容疑をかけられて追われる身となった二重の追跡劇を、スピーディーなカメラで緊張感たっぷりに描き出す。「セブンデイズ」(07年)のウォン・シニョン監督が手がけた。

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 チ・ドンチョル(コンさん)は北朝鮮特殊部隊の工作員だったが、韓国で夜間に運転代行のドライバーをしながら孤独に暮らしていた。ドンチョルは、愛する妻子の命を奪い韓国へ逃げた容疑者の行方を追っていたが、同じ脱北者で懇意にしてくれていた財界の要人パク・コノ会長(ソン・ジェホさん)の暗殺現場に偶然居合わせてしまい、会長から「埋めてくれ」と眼鏡を託される。駆けつけた警察官を振り切り逃走したものの、殺人容疑をかけられて、セフン大佐(パク・ヒスンさん)に追われる身となり、ある陰謀に巻き込まれていく……という展開。

 追跡者であり追われる身でもある二重の哀しき運命を背負ってしまった主人公ドンチョルが、心に閉じ込められた思いを爆発させるかのようなアクションに目を奪われる。ドラマ「コーヒープリンス1号店」のコン・ユさんが、これまでのイメージを打ち破り、ほぼノースタントで熱演。ドンチョルが体を鍛え抜くのも復讐のため。暗い目をしたドンチョルの憎悪の念が、隆々とした筋肉からも感じられるほどだ。そんな野獣のようなドンチョルが、絶壁でクライミングし、自動車で後ろ向きに石段を下り、屋根の上を全速力で駆け抜ける。「チェイサー」(08年)のイ・ソンジェ撮影監督によるスピーディーなカメラワークは臨場感たっぷり。ずっとアドレナリン全開のところに複雑な陰謀もからませ、託された眼鏡の謎も読み解いていく。敵に敬意を示す男同士の関係による展開が、絶望から未来へとつなげてあと味があって味わい深い。「セブンデイズ」のパク・ヒスンさん、「哀しき獣」(10年)のチョ・ソンハさん、「依頼人」(11年)のユ・ダインさんらが出演。新宿武蔵野館(東京都新宿区)ほか13日から全国で順次公開。(キョーコ/フリーライター)

 <プロフィル> 

 キョーコ=出版社・新聞社勤務後、映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。最近の泣けた映画は「猿の惑星:新世紀 ライジング」(19日公開)。

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