及川光博:とと姉ちゃん、初の朝ドラに気合 「常子はアムロ」と絶賛

「とと姉ちゃん」に出演する及川光博さん=NHK提供
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「とと姉ちゃん」に出演する及川光博さん=NHK提供

 歌手で俳優の及川光博さんが、NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「とと姉ちゃん」に、出版社の編集者・五反田一郎役で16日、初登場した。デビュー20周年で初の朝ドラ出演に「駆け出しのころは朝ドラに出演するとは想像もしていなかった。実現できたことがハッピー」といい、同僚となる高畑充希さん演じる常子については、「戦争の中で目覚めていく。アムロ・レイのよう(笑い)」と大好きなアニメ「機動戦士ガンダム」に例える。初の朝ドラに気合十分の及川さんに意気込みを聞いた。

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 ◇女好き「僕にはないが、ミッチーとは似ている」

 「とと姉ちゃん」は、生活総合誌「暮しの手帖」創業者の大橋鎭子(しずこ)の軌跡をモチーフとしたドラマ。11歳で父を亡くしたことを境に家族の父代わりとなった小橋常子(高畑さん)が浜松から上京し、女性向けの雑誌を創刊。高度経済成長期を生きる女性に支持されていく……というストーリー。

 及川さんが演じる五反田は、常子が新聞広告を見て入社した出版社の編集者。嫌みのない遊び人で、いい女と見れば手当たり次第に口説き始める。明るく、編集者としての腕もよく、常子に旧来の友人の花山伊佐次(唐沢寿明さん)を紹介し、常子が花山と「あなたの暮し」を創刊し、戦後の常子の人生の運命を変えるきっかけにもなる。

 五反田はただの女好きではない。及川さんは「さじ加減が難しい役どころ。軽薄なだけでなく、やる時はやる。いい意味で浮いている。朝ドラではどうかな?と思うけど、そこはかとなく夜のにおいがします(笑い)。軽みのある存在でありたい。“いい加減”で演じたいと思っています。力んでも仕方ないので」と話す。

 及川さんと五反田は、どこかイメージは重なりそうでもあるが、自身は「そうかな? 僕の引き出しにはないキャラクター。『及川光博』とは似ていないけど、『ミッチー』とは似ていると思います。実際の僕は、あそこまで女性に近づけない」と感じているという。

 ◇朝ドラ出演「ハッピー」

 朝ドラは初めてで「ついこの間、デビュー20周年だったのですが、駆け出しのころは朝ドラに出演するとは想像もしていなかった。実現できたことがハッピー。出られるんじゃないか?と虎視眈々(たんたん)と狙っていたら、出られなかった時にショックですよね(笑い)。うれしく思います」といい、「ぺらぺらしゃべる役なので、長いセリフは多少苦労します。ただ、撮影が深夜におよぶ時もワイワイやっています」と現場を楽しんでいる。

 朝ドラの現場はハードなことでも知られているが、及川さんは「ツアー中は、土日のライブでへとへとになるまで踊って、新幹線や飛行機でセリフを入れている。結構、筋肉痛です。アスリート用のアミノ酸を飲んでいますね」と体調管理には細心の注意を払っている。

 ◇兄貴分・唐沢寿明は「気迫十分」

 及川さんは、五反田の旧友・花山を演じる唐沢さんとは、2002年放送のNHK大河ドラマ「利家とまつ~加賀百万石物語~」での共演以来、プライベートでも仲がいいという。唐沢さんについて「兄貴分ですね。15年くらい仲よくさせていただいて、食事はほぼおごってもらっていますね(笑い)。仕事以外ではふざけたり、中身のない話をしていて、気がついたら、(深夜)2、3、4時になっていたり……」と語る。

 また、現場での唐沢さんの様子を「気迫十分ですよ。ストイックで、現場に台本を持ち込まず、すべてセリフを入れてくる。出会ったころから変わらないですね。学ぶところが多いです。花山のような強烈なキャラクターを演じることにワクワクしているのが分かります」と明かす。

 ◇高畑充希の防空ずきん「コスプレ感が可愛い」 

 撮影では、高畑さんとの共演シーンが多いといい、高畑さんについて「高畑充希は防空ずきんともんぺ姿が似合う! あのコスプレ感は、なかなかまねできない。可愛いです」と冗談めかしつつ「冒険心あふれる彼女のキャラクターが愛らしい。会うたびに『分かりやすい顔のパーツだね!』とからかうのですが、心の動きが目で分かる。演技者として恵まれた才能ですよね。賢い子だと思うし、どんどんタフになっている。長丁場の中、いろいろな意味で成長を遂げている。ほほ笑ましくもあり、支えていきたいと思う」と絶賛する。

 ドラマの今後の展開について「高畑充希ちゃん演じる常子が会社を立ち上げる。それからの冒険が、この物語のメインじゃないですか。女性が雑誌を作る。戦争の中で常子が目覚める。(アニメ)『(機動戦士)ガンダム』における(主人公・)アムロ・レイ。戦争の中で目覚めていく、ニュータイプ……。あれ!? 何を言っているんだろう?(笑い)」と大好きな「ガンダム」に例えながら語る。

 「オールアップした時にすがすがしい達成感を抱いてNHKを去っていきたいですね。歌にしろ芝居にしろ、精いっぱいやって、お客様や視聴者の皆様、それぞれの感受で楽しんでいただければ。共演者たちとの関わりによって刺激を受けながら向き合っていく。どんな作品に対しても一緒ですね」と気合十分だ。

 「とと姉ちゃん」はNHK総合で月~土曜午前8時ほかで放送。全156回を予定。

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