真田丸:“いい人”秀次・新納慎也はミュージカルスター 三谷作品でブロードウェーにも

NHK大河ドラマ「真田丸」で豊臣秀次を演じている新納慎也さん
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NHK大河ドラマ「真田丸」で豊臣秀次を演じている新納慎也さん

 堺雅人さん主演のNHK大河ドラマ「真田丸」に秀吉のおい・豊臣秀次役で出演している俳優の新納慎也(にいろ・しんや)さん。今作が大河ドラマ初出演で、屈託のない秀次を魅力的に演じている。秀次は、秀吉から関白を引き継ぐも、茶々(竹内結子さん)が再び男子を産んだことで“歯車”が狂い始め、17日放送の第28回で最期を迎える。その最期もこれまでと違った解釈で描かれるといい、脚本の三谷幸喜さんの作品でブロードウェーの舞台にも立ったミュージカル俳優でもある新納さんに、秀次役への思いや三谷脚本について聞いた。

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 ◇ラストシーンは「らしい最期」

 「真田丸」は、堺さんが真田幸村の名でも知られている戦国時代の人気武将・真田信繁を演じ、戦国時代に信州の小さな領主のもとに生まれた信繁が、家族とともに知恵と勇気と努力で乱世を生き抜く姿を描いている。

 「番組は続くのに自分がだけが卒業するのはただただ寂しかったですね」とクランクアップ後の心境を語る新納さん。今回の役のため、「Amazonで豊臣秀次と検索して出てきたもの、7~8冊くらい読みました」と明かし、「いろいろ本を読むと、読む本ごとに秀次像が違って、どんな人間なんだと。でも殺生関白といわれているのはごく一部で、結構実直で穏やかな人だったという印象。でも一番びっくりしたのは台本ですよね。『え、こう来たか』って。三谷さんにしてやられた感があった。三谷さんはうまく描いているなって」と感心したという。

 三谷さんからは「ただただ飄々(ひょうひょう)と繊細に演じてください」とアドバイスされたといい、秀次の魅力を「あの地位なのにものすごいフランク。自分の置かれた地位に対して何とも思っていない。そこが魅力的に映ればいいなと思って演じていました」と話す。17日の放送で秀次は最期を迎えるが、「僕が演じた秀次は強い意志で死ぬというよりかは、ここしか歩けない。レールに乗っかって、そのレールは一つのところにしか行かなくて、それを受け入れている……」と説明。最期のシーンでは、監督に「一瞬笑おうとしたい」と提案したといい、「走馬灯のように自分にかかわって関わってくれた人のいい部分が出てきて、自分の人生は悪くなかったという笑顔かなって。最後までいい人なんです。今回の秀次らしい最期だと思います」と振り返った。

 ◇三谷作品でブロードウェーに

 今回が大河初出演の新納さんは、「真田丸」のオファーが来たとき、「出ます」と即決したという。「(普段は)舞台が多いので、大河ドラマや時代劇は本当に縁がない、絶対に一生やらない仕事だと思っていました。日本で役者をやるにあたって、大河ドラマはものすごく大きな目標だったり、名誉ある経歴の一つだと思うので、それがこの年齢になってき来たんだなって」と喜んだといい、オープニングで自分の名前が最初に出たときは「もう“写メ”ですよ。まず“写メ”を撮って親に送りました。あれはすごく感動しましたね」と笑う。

 米ニューヨークのオフ・ブロードウェーでも上演されたミュージカル「TALK LIKE SINGING」など三谷作品に出演している新納さんは、三谷さんの脚本について、「いつものことだけれど驚かされるし、台本が来て出演者がゲラゲラ笑っていることなんて、あまりないんですが、やっぱり悲しくて人間っぽさがあってリアルで。大河ドラマですが、すごくリアル。歴史物語というより、すごく共感できたりするからすごいなと思っています」と話す。

 三谷さんの存在について、「僕の役者人生において、ここぞというときに三谷さんがピョコッとやってきてすごくすてきなオファーをしてくれる。オリジナルのミュージカルでブロードウェーに立ったことがある日本の役者は多くないと思いますが、その機会を与えてくれたのも三谷さん。今回の大河ドラマも。僕の人生の“連結部分”でガチャンと方向を変えていってくれる。いちいち人生を変えてくれる存在です」と感謝していた。「ご本人はいつまでたっても『新納さん』と“さん付け”。でも言ってくる内容はガツガツしているんです。『あそこはよかったよ』とか言ってくれるのでうれしいですね」と笑顔を見せた。

 「真田丸」はNHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送。

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