女優の桜庭ななみさんが26日、アジア・太平洋の映画産業に最も貢献した映画人に贈られる「APNアワード」に選ばれ、「第29回東京国際映画祭(TIFF)」の一環で行われた授賞式に出席した。浅野忠信さん、行定勲監督とともに同賞に輝いた桜庭さんは授賞式では流暢(りゅうちょう)な中国語と韓国語を披露。会場に集まった国内外のプロデューサーから拍手と驚きの声が上がった。
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桜庭さんは日韓合作の主演映画「絶壁の上のトランペット」(ハン・サンヒ監督、公開中)をはじめ、アジアの作品に数多く出演し、中国語や韓国語など語学も堪能。トロフィーを受け取ると、「私が中国語を始めたのは台湾の映画出演がきっかけでした」といい、「語学が実を結んでくれた」と、受賞を喜んだ。
APN(アジアパシフィック プロデューサーズ ネットワーク)は、アジア太平洋地域の映画プロデューサーの親交を目的として2006年に発足した団体で、授賞式には、国内外のプロデューサー約50人が出席した。
桜庭さんは「アジアの先輩方とご一緒するのは、とても刺激になりますし、大きな財産となりました。演技はもちろん、語学も磨いて、アジアの作品に参加したい」と意欲を見せ、最後は中国語と韓国語でもあいさつ。浅野さんは「サワディークラップ。カムサハムニダ、こんにちは。ぼくがしゃべれるのはこんなもんです」と話しつつ、「入り口はこんなもん、役を振ってもらえれば覚えます!」とプロデューサーたちにアピールしていた。
行定監督は、海外で作品を撮る理由について「日本で企画が通らないから」ときっぱり。海外での撮影については「自分の理想をほとんど覆されるんです。思い通りにならなくて苦労するんですが、新しい道が見つかる。それで、映画は作れるということを、海外のスタッフと仕事をすることで学びました」と笑顔で語っていた。