注目映画紹介:「T2 トレインスポッティング」ユアン・マクレガーの当たり役 20年ぶり続編で歳月の重さが伝わる

映画「T2 トレインスポッティング」のメインビジュアル
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映画「T2 トレインスポッティング」のメインビジュアル

 日本でも大ヒットした「トレインスポッティング」(1996年)の続編「T2 トレインスポッティング」(ダニー・ボイル監督)が8日に公開される。ユアン・マクレガーさんら前作のキャストが、ボイル監督、脚本家ジョン・ホッジさんの下に再び集結。それぞれの当たり役を約20年ぶりに演じている。

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 仲間を裏切り、大金を持ち逃げして以来、20年ぶりに故郷スコットランドのエディンバラに帰ってきたマーク・レントン(マクレガーさん)。しかし、旧交を温め合うどころか、気のいいジャンキーのスパッド(ユエン・ブレムナーさん)は、家族に愛想を尽かされ絶望中。パブ経営を隠れみのに、売春、ゆすりで金を稼いでいるシック・ボーイことサイモン(ジョニー・リー・ミラーさん)は、マークへの憎しみをあらわにする。一方、殺人罪で服役中のベグビー(ロバート・カーライルさん)は、仮出所申請を却下され、脱走をくわだてるが……というストーリー。

 同じ俳優が演じることで、20年という歳月の重さがリアルに伝わってくる。しかし、変わったのは容姿だけで、中身は相変わらずなのがこの4人。大学生の息子にとんでもないことをさせるベグビーのバカ親ぶりには特にあきれるが、マークへの“復讐(ふくしゅう)”に向かうときに息子に掛ける言葉には結構ホロリとさせられた。前作では、ヘロインを打ち幻覚症状に陥ったマークがカーペットごと沈んでいく描写があったが、今回もそれに匹敵するシュールな表現を見ることができるなど、トレスポファンにはたまらない仕掛けがたっぷり。今作にノスタルジーという言葉は当てはまらないが、大人になり切れない4人を見ながら、「それでも彼らは生きている。だからあなたも大丈夫」と、自分の生き方を肯定されたような気がした。8日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/フリーライター)

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