昨年3本の映画に出演した新進女優の瀧内公美(たきうち・くみ)さんが、映画「さよなら歌舞伎町」などを手がけた廣木隆一監督の新作映画「彼女の人生は間違いじゃない」で主演を務めることが24日、明らかになった。映画は、廣木監督の同名小説(河出書房新社)を実写化。瀧内さんは、平日は市役所で働き、週末は東京の風俗で働く主人公のみゆきを演じ、みゆきの父を光石研さん、風俗店の店長を高良健吾さん、市役所の同僚を柄本時生さんが演じることも同時に発表された。
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瀧内さんは1989年10月21日生まれ、富山県出身。大学進学を機に上京し、4年生の時にエキストラで出演した映画がきっかけで現在の事務所に所属することに。2012年に「エクソシストを探せ」で映画デビュー。14年には笹野高史さんとのダブル主演で「グレイトフルデッド」で映画初主演。昨年は「夜、逃げる」「日本で一番悪い奴ら」「闇金ウシジマくん Part3」に出演した。
「彼女の人生は間違いじゃない」は、東日本大震災から5年後の福島県を舞台に、同県で暮らす人々の姿を描く。市役所で働くみゆきは、亡くなった妻との思い出話ばかりをし、震災で農業が再開できず補償金をパチンコにつぎ込む父の修(光石さん)と仮設住宅で2人暮らし。みゆきは、修に内緒で、週末だけ東京の風俗店でアルバイトをしていたが、ある日、何かと面倒を見てくれた風俗店店長の三浦(高良さん)が店をやめたことを知り……というストーリー。
瀧内さんは今作について、「参加できて、感謝とともに実りある時間を過ごせました。今でも撮影していた時のことを思い出すと、あふれそうな思いに胸がいっぱいになります」と感慨深げ。「今の福島を見て聞いて感じて、撮影中、ずっと心が止まったり動いたり、無になったり、感じることをやめたくなったり、いろんな思いがいっぱい生まれました」と話し、「(人の)優しさや思いが映画になって、見てくださる皆様へ届けられたら、何か感じていただけたらなと思います」とメッセージを送っている。
廣木監督は「朝起きて何気ない毎日が始まることと思っていた。5年という歳月はあっという間に過ぎていく。そんな時代に生まれた僕らの記憶と記録。今を生きている僕らの映画にしたかった。大げさに何かをいうのではなく、何かを伝えられる映画というものを信じるための映画にしたかった」と今作に込めた思いを語った。そして「ただ、その地に行って撮影して帰ってくるのではなく、その地に立って感じたことをすべて描き切ること。ここには正直に向き合ったキャスト、スタッフの姿があるはずです」とコメントしている。映画は7月15日から全国で順次公開。
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