EXILE・HIROさんの初プロデュース作で、劇団EXILE・青柳翔さん主演の映画「たたら侍」(錦織良成監督)が20日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほかで公開される。戦国の世、己の宿命と向き合う青年の成長を通して、真の侍とは何かを問う時代劇だ。製鉄技術「たたら吹き」によって作られた美しい刀とその時代の人々の高潔な生きざまが真っすぐに描かれている。
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戦国末期、出雲の山奥にある「たたら村」では、製鉄技術「たたら吹き」の技術を守り、古来、天下無双の名刀を生み出す、1000年さびないといわれる「玉鋼」が作られてきた。その技を取り仕切る村下(むらげ)の息子・伍介(青柳さん)は、幼いころに村が鋼を狙う山賊に襲われたことから、強くなって村を守りたいと思い、幼なじみの新平(三代目J Soul Brothersの小林直己さん)と武術の鍛錬に明け暮れていた。やがて伍介は、村を出て侍になりたいと思い立ち……という展開。
青柳さんは、隠岐に伝わる古典相撲を取り上げた「渾身 KON-SHIN」(2013年)の主演に続いて錦織監督とタッグを組んだ。米ルイジアナ州で開催されたシネマ・オン・ザ・バイユー映画祭で最優秀主演男優賞を受賞するなど、演技が高く評価されている。
伍介に真の強さを教える武士、尼子真之介役をEXILE・AKIRAさんが演じ、CGを使うことなく殺陣に挑み、気迫あるシーンをつくり出した。そのほか田畑智子さん、E-girlsの石井杏奈さん、豊原功補さん、津川雅彦さんらが出演。主題歌「天音」は久石譲さんが作曲し、作詞を手がけたEXILE・ATSUSHIさんが歌っている。
映画の根底にあるのは、日本のものづくりへの誇りとリスペクトだ。オープンセットで撮られた伝統の鋼づくりの臨場感あふれるシーンや、生み出された刀と後継者伍介とのシーンには、自分の道に向き合う一人の若者の成長があり、本当の強さとは何かを問いかけてくる。
昨年9月のモントリオール国際映画祭ワールド・コンペティション部門で最優秀芸術賞を受賞。今月8日(日本時間9日)には米ハリウッドの老舗劇場エジプシャン・シアターでプレミア上映されるなど、海外から熱い視線を集めている。6月2日から全米9州での公開も決まっている。(キョーコ/フリーライター)
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