劇場版アニメ「曇天(どんてん)に笑う<外伝>決別、犲(やまいぬ)の誓い」(若野哲也監督)が2日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほかで公開される。マンガ誌「月刊コミックガーデン」(マッグガーデン)で連載された唐々煙(からからけむり)さんのマンガが原作。1878(明治11)年の日本を舞台に、琵琶湖に作られた重犯罪者専用の監獄「獄門処」の橋渡し人を務める曇天火ら曇家の3兄弟の活躍を描く。映画は、その前日譚(たん)、後日譚に当たるマンガ「曇天に笑う<外伝>」を基にした3部作で、今作は前編となる。
ウナギノボリ
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300年に1度の魔物・大蛇(おろち)復活の11年前、大蛇討伐のための部隊・犲が結成される。曇家当主・大湖が師範の犲には、長男天火や天火の盟友・安倍蒼世、佐々木妃子らが集結。しかし、ある事件をきっかけに、天火は犲を離れる……というストーリー。2014年10~12月に放送されたテレビアニメでも声優を務めた中村悠一さん、梶裕貴さん、代永翼さんらが出演。「進撃の巨人」「甲鉄城のカバネリ」などのWIT STUDIOが製作した。
曇3兄弟たちの知られざる物語が明らかとなる今作では、犲を抜けようとする天火に蒼世が殴りかかる場面のほか、蒼世たちのアクションや天火が泣き叫ぶシーンなど熱量あふれる数多くのシーンで楽しませてくれる。「外伝」ということもあり、さまざまな時系列のエピソードがオムニバスのような形で展開していき、各キャラクターにスポットが当たるのもファンとしてはたまらない。男同士の掛け合いなどの微妙な空気感からキャラクター同士のつながりが浮き彫りになり、人間ドラマとしての奥行きを感じさせる。2作目以降はもちろん、18年公開の実写映画「曇天に笑う」も楽しみだ。(遠藤政樹/フリーライター)
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