任天堂のゲーム機「ニンテンドースイッチ」のヒットなどさまざまなことがあった2017年のゲーム業界。ゲーム雑誌「ファミ通」を発行する「Gz(ジーズ)ブレイン」の浜村弘一社長に17年を振り返ってもらいながら、今年の展望を聞いた。
ウナギノボリ
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――携帯ゲーム機が売れなくなりました。
確かに売れ行きは落ちてきていますが、17年のゲームソフトの売り上げ年間ランキングでいえば、3DSのゲームソフトは多いですね。ニンテンドースイッチは、家庭用ゲーム機ですが、携帯ゲーム機の市場も取っています。
そうなると3DSの後継機がどうなるかでしょう。考えているとは思いますが、(低価格の携帯ゲーム機)ニンテンドー2DSも売れていますからね。今はニンテンドースイッチが、携帯ゲーム機と同じ遊ばれ方をしていますから、選択肢が広がっているんじゃないでしょうか。
――それにしてもニンテンドースイッチはなぜ、ここまで売れているのでしょうか。
海外を見ると良いと思います。米国のゲーム市場では、車で移動する文化なので、携帯ゲーム機が約10%のシェアしかないんです。そこにニンテンドースイッチが来て、持ち運びができ、皆で遊べるゲーム機という提案をして、ハマっているのだと思います。
実は任天堂は、ゲーム機を外に持ち出すことを前提で考えていましたよね。(2001年に発売した任天堂の家庭用ゲーム機)「ゲームキューブ」は、ゲーム機本体に取っ手が付いていました。それは外への持ち運び用だったわけで、そのころから外の遊びを提案していたわけです。任天堂は他のゲーム会社と時間の流れが違う気がします。
――家庭用ゲーム機と携帯ゲーム機、スマホの境界が、ハッキリしなくなる感じですね。
IP(Intellectual Property=知的財産)で語る時代になり、変わってきていますよね。スマホゲームの「ポケモンGO」のヒットで、3DSの「ポケットモンスター サン・ムーン」にユーザーを送り込んだように、お互いに“送客”する時代になっています。
カプコンの(創業者で会長の)辻本憲三さんが言っていたことがあるんです。かつてゲームの「ストリートファイター」の映画製作に投資したとき、周囲から「バカなことを」と言われたそうです。しかし今ではネット配信の時代が来て、年間何千万円の権利収入が入ってくるし、最新ゲームを出していなくても愛情や認知力が上がっていく。ずいぶん前から「IPでものを考えなければいけない」と言っていましたね。
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