テレビ質問状:「ノンフィクションW ヒッチコック幻の映画~最期に仕掛けたサスペンス~」幻の54番目の映画とは?

アルフレッド・ヒッチコック監督(Getty Images)
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アルフレッド・ヒッチコック監督(Getty Images)

 WOWOWは「WOWOWオリジナルドキュメンタリー」枠として、「ノンフィクションW」と「国際共同制作プロジェクト」の2番組を両輪に、国内外のさまざまなテーマを扱ったオリジナルのドキュメンタリー番組を放送している。3月4日午後9時からWOWOWプライムで放送される「ノンフィクションW ヒッチコック幻の映画~最期に仕掛けたサスペンス~」の番組プロデューサーを務めた藤原麻知さんに、番組の魅力を聞いた。

ウナギノボリ

 ――番組の概要と魅力は?

 サスペンスの巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督が最後に撮りたかった幻の映画「ショート・ナイト」に焦点を当てたドキュメンタリーです。

 監督が心底ほれ込んだ原作、構想に10年以上かけて練り上げられた脚本、当時のプロデューサーをして70~75%の準備が整っていたという“最期に仕掛けたサスペンス”がどんなものだったのか? 世界未公開資料の数々と、監督人生最後の日々を共にした脚本家、プロデューサーの証言を基に迫ります。

 ――今回のテーマを取り上げたきっかけと理由は?

 このドキュメンタリーを制作した東通企画の谷口プロデューサーとは、以前「ノンフィクションW ハリウッドを救った歌声~史上最強のゴーストシンガーと呼ばれた女~」を共に制作しており、放送後、次の取材対象を探していました。

 ハリウッドのレジェンドに味をしめた我々は、レジェンドシリーズとしてハリウッド現役最高齢の一人と言われている俳優ノーマン・ロイドさんに着目しました。彼がヒッチコックの助監督であったことから、今回の“未完の映画”の存在にたどり着いたというわけです。

 ――制作中、一番に心がけたことは?

 WOWOWの映画ファンの皆さんは、ヒッチコック作品についても詳しい方が多いでしょうから、そんなヒッチコックファンに見てよかったと思ってもらえるような、それでいてヒッチコック初心者の方にも興味を持ってもらえるような番組作りを心がけました。

 ――番組を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったエピソードは?

 取材を進める中、我々の一番の疑問が、どうしてこれまでこの未完の映画について世界で誰も触れてこなかったのだろう?というものでした。

 実際、ヒッチコック監督が「ショート・ナイト」を製作する過程での数々の資料が現存しており、その多くが世界未公開でした。

 こんなオイシイものを、なぜ?……その答えは、取材させていただいた元ユニバーサルスタジオ社長トム・マウントさんがオフレコで教えてくれました。

「映画になってないものなんて、なぜ興味があるんだ?」

 国民性の違いでしょうか。我々にはこの上なく興味のある対象なのですが(笑い)。

 ――番組の見どころを教えてください。

 ヒッチコック監督が、最後の日々を共にした脚本家やプロデューサーの裏話は必見です。近くにいた彼らだからこそ語れる素顔のヒッチコック監督を知ることができます。

 そして、晩年のヒッチコック監督が語る映画への熱い思い。世界初公開の音声テープに肉声が残されていました。

 まだまだたくさんありますが、そのすべてを俳優の吉田鋼太郎さんのナレーションが力強く包み込んでくれています。こちらも見どころです!

 ――視聴者へ一言お願いします。

 未完に終わったからこそ、想像をかき立てる“幻の映画”。その一端をこのドキュメンタリーでお見せできればと思います。

 視聴者の皆さんそれぞれに感じ方は違うと思います。

 ぜひご覧いただいて、もしかしたらあったかもしれない“54番目の映画”に思いをはせていただけたらと思います。

 プロデューサー 藤原麻知

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