女優の水川あさみさんが、6月16日にスタートするWOWOWのドラマ「連続ドラマW ダブル・ファンタジー」に主演する。直木賞作家の村山由佳さんの小説が原作で、“女性の性欲”をテーマに描いた衝撃作だ。水川さんに体当たりの演技などについて聞いた。
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「ダブル・ファンタジー」は、35歳の人気脚本家・高遠奈津(水川さん)が主人公。奈津は、夫・省吾(眞島秀和さん)の仕事への干渉を疎ましく思っていた。そんな中、舞台演出家の志澤一狼太(村上弘明さん)から舞台に招待され、その後、一夜を共にした奈津は、本能のままに家を出るが、志澤から放置される。孤独な奈津は、大学時代の元恋人・岩井良介(田中圭さん)と甘い時間を過ごしながら、新進俳優の大林一也(栁俊太郎さん)からも言い寄られ、欲望に身を任せる……というストーリー。
水川さんは、今回の役をオファーされて、「今までやったことのない役で驚きました。私が演じることで、今までにないものを引き出せたらと考えてチャレンジしました」と話す。実際に演じてみると、「身構えていたのがバカみたいだった」といいながら、「女性としてきれいに見せるか、セクシーに見せるか、役を演じる上でどうするのがベストかと思って探っていました。撮影はアクションみたいな感じ。カメラマンさんも、『どの角度がきれいに見えるか』など照れずに話してくださるのもよかった。皆さんで作っている感じでした」と明かす。
演じる上で気をつけたことは、「奈津は、売れている脚本家でもあり、普通の女性より知識や生活水準の高い女性なので、動きを繊細にしつつ、時には大胆に、振り幅を大きくしました」と話す。奈津役は「女性として『自由でいたい』という部分には共感できるけれど、何せ彼女は一筋縄ではいかない。肉体が満たされると精神が満たされるという考えは、女性的ではなくて、男性的な部分ですよね。そこを理解、納得するまで大変でした」と振り返る。
挑戦的な役だったが、「チャレンジは常に考えています。30代半ばになってできること、20代ではできなかったことがありますから」と話しつつ、「常にお芝居をする上で、やったことのない役、見たことのない役をやってみたい。面白い役が転がっていれば、と思います。例えばすごい殺人者の役とか」と演技への意欲を見せる。
女優として約20年活躍してきた水川さんは「女優は『女に優れた』と書きますが、どうやっても男っぽくなっていく作業なんです。女を忘れるわけではないんですが、めまぐるしい撮影で、体力的にタフでないといけないし、お仕事をすると、女性というものが寄り添ってこず、離れていく感覚になるんです。だからこの作品をやって『女性が自分に存在するんだな』ということが改めて分かりました」と明かす。
「女性を戻すための作業は?」と聞くと、「それは、分かりやすくいうと恋愛。恋愛は、女性であることが自然とあふれますよね。ただ女優という仕事には、女性が邪魔になるときがあるわけで……」と仕事への情熱を見せながらも、「恋愛は、常にできていたらとてもラッキー。すてきな人がいるなら常にしたい」と笑顔で語る。
水川さんは「正直、20代は忙しくて、目の前にあるものを演じることが精いっぱいだった。30歳になって、環境が変わって大変な部分がありました。今は、すべてが自分の責任なので、明確になって、すごく楽しいんです。30歳が成人式だったのかなと思います」と振り返る。
ドラマは、“女性の性欲”をテーマに描いているが、水川さんは「社会的な秩序を論破したような作品なので、人によっていろいろなとらえ方があると思う。私が演じた奈津は、性の自由を求めて生きていますが、人それぞれ。女性の背中を押す作品になればと思います。今の時代は、表現できないことが増えている。この作品がドラマとしてできたことは大きいと思っています」と前向きに語る。
2018年に役と同じ35歳になる水川さん。美しさを保つ秘訣(ひけつ)は「週1回にトレーニングをしています。食べ物は我慢しません。トレーニングをして、体形や体重のベストが分かっていれば、太っても痩せても戻れますから。後はタンパク質をとること。野菜だけだと(肌が)カサカサになります」と明かした。
「連続ドラマW ダブル・ファンタジー」は6月16日スタート。毎週土曜午後10時にWOWOWプライムで放送。全5話で、第1話は無料放送される。
<プロフィル>
みずかわ・あさみ 1983年7月24日生まれ、大阪府出身。1997年に女優デビューを果たす。映画「渋谷怪談」(2004年)や、ドラマ「夢をかなえるゾウ」(08年)など多くの作品に出演している。最近は映画「後妻業の女」(16年)や連続ドラマ「僕たちがやりました」(17年)に出演。トヨタ自動車のCMで、30歳になった「ドラえもん」のヒロイン・源静香(しずかちゃん)を演じて話題になった。
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