俳優の野村周平さん主演の映画「純平、考え直せ」(森岡利行監督)が22日から新宿シネマカリテ(東京都新宿区)ほかで公開される。野村さん演じるチンピラが、暴力団幹部に任された大仕事を決行するまでの3日間が描かれる。状況が異なれば、疾走感にあふれた爽やかな青春映画になっていただろう。だが、舞台は新宿・歌舞伎町。主人公はチンピラ。当然ながらそうはならず、心がひりつく物語が展開する。
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歌舞伎町。21歳のチンピラ、坂本純平(野村さん)は、組の雑用をこなしながら一人前の男になれる日を待ち望んでいた。そして、ついにその機会が訪れる。対立する組幹部の殺害を命じられたのだ。拳銃一丁と数十万円の支度金を渡された純平は、偶然知り合った会社員の山本加奈(柳ゆり菜さん)と一夜を共にし、決行日までの3日間を一緒に過ごすことに。やがて引かれ合う2人だったが、無情にも決行の時は迫り……というストーリー。直木賞作家・奥田英朗さんの小説を、「女の子ものがたり」(2009年)や「上京ものがたり」(12年)などで知られる森岡監督が映画化した。
SNSが重要な小道具として使われている。加奈のツイートに反応し、純平を思いとどまらせるような書き込みをする者がいるかと思えば、あおるような書き込みをする者もいる。ネットの住人たちのいびつな連帯意識には、救われる気がした半面、薄ら寒さを覚えた。
純粋ゆえに曲がったことができず、悪ぶっているのに憎めない純平。野村さんは、やんちゃな風貌の中に時折大人の男の色気を匂わせながら演じ切っている。加奈役の柳さんも、長い髪を切られる場面では地毛を切ることを自ら申し出たそうで、その体当たりの演技は見上げたものだった。
水で洗った加奈の脚を、どう見ても吸水性の悪いスタジャンでくるんでやったり、ホームレスの老人に高級焼肉を振る舞ったり。不器用な優しさのにじみ出る純平を見ながら、いつしか心の中で、「純平、まだ間に合う。考え直せ」と叫んでいた。(りんたいこ/フリーライター)
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