吉田羊:井浦新と夫婦役で初共演 阪神・淡路大震災描く特別ドラマで

「カンテレ開局60周年特別ドラマ BRIDGE はじまりは1995.1.17神戸」に出演する井浦新さん(左)と吉田羊さん=関西テレビ提供
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「カンテレ開局60周年特別ドラマ BRIDGE はじまりは1995.1.17神戸」に出演する井浦新さん(左)と吉田羊さん=関西テレビ提供

 女優の吉田羊さんが、スペシャルドラマ「カンテレ開局60周年特別ドラマ BRIDGE はじまりは1995.1.17神戸」(関西テレビ・フジテレビ系)に出演することが10日、明らかになった。葉山奨之さん、片瀬那奈さん、小市慢太郎さん、濱田マリさん、中村靖日さん、阿部純子さん、井頭愛海さんの出演も発表された。吉田さんは、井浦新さん演じる主人公・高倉昭を支える妻の奈々を演じる。吉田さんと井浦さんが夫婦役を演じるのは今回が初めて。

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 「BRIDGE」は1995年の阪神・淡路大震災での実話を基にしたヒューマンドラマ。震災当時、線路ごと崩落するなど被害の大きかったJR六甲道駅が舞台となる。過酷な状況の中、倒壊した駅をわずか74日間で復旧させた実話が基になっている。震災直後、JRからの依頼で倒壊した六甲道駅の復旧工事を担当した建設会社「磐巻(いわまき)組」の工事所長・高倉昭の姿を中心に描く。野村周平さん、葵わかなさん、佐藤隆太さんらも出演する。

 葉山さんは“現代パート”となる、2018年に阪神・淡路大震災慰霊碑に落書きをした少年の佐渡島克也、片瀬さんは演歌歌手の観音崎発光(かんのんざき・ひかり)、小市さんは六甲道駅前で営んでいたが倒壊してしまった焼き鳥屋の店主の但馬源、濱田さんは同駅前にあるスナックのママあだばな、中村さんは新聞販売店の2代目の小比類巻葵、阿部さんは銀行員の竹田里津、井頭さんは昭と奈々の娘のももを演じる。ドラマは19年1月15日午後9時に放送。

 ◇吉田羊さんのコメント

 ーー実話を基にしたお話ですが、オファーが来たときはどう思いましたか。

 こんな実話があったんだと驚きました。震災当時、私は実家で父と、神戸の様子をテレビでぼうぜんと見ていた記憶があります。ネガティブなニュースばかりで、希望のある景色を見ることができなかったし、日本全国が絶望と悲しみに暮れていた印象でした。でもこの実話を知って、一見、絶望的に思えるような状況で、不可能といわれたことを可能にした人がいた、ということは同じ日本人として誇りに思いました。また、出てくる登場人物には、自身も被災者でありながら、被災地の復興に第一線で参加していく人も描かれていて、力強さ、日本人の底力を感じています。

 ーー復興に携わった高倉昭の妻を演じますが、演じるに当たって意識されたことは?

 台本を読ませていただいたときに感じたのは、すごくカラッとしていて、悪く言えば、旦那さんにあまり興味がない。でも良く言えば、お互いに自立した夫婦関係で、あの人はあの人で仕事をしているし、みたいな印象を受けました。でも、彼女も大阪で、神戸の惨状を見たのならば、もっと旦那さんに寄り添える人でいたいなと思いまして、それは井浦さんにもご相談をさせていただいて、より思い合える夫婦関係になるよう、作らせていただきました。

 ーー初共演の井浦新さんの印象やエピソードを教えてください。

 新さんは生々しく、揺らぎのあるお芝居が魅力的な俳優さんだと思っていて、そういう新さんから現場でいただく感情はたくさんありました。私が提案することを、一蹴せずきちんと受け止めてくださって、新さんの中には無かった設定もとりあえずやってみて、その先に広がるお芝居の可能性を面白がってくださり、懐の深さを感じて、とてもすてきな方だなと思いました。

 私が洗濯物を届けに行くシーンでは、せりふの掛け合いがうまくいかなくて「私はこのせりふのときにはこういう気持ちです」って説明させていただいたんです。そうしたら、新さんとの解釈がズレていて「僕はこのつもりでやっていました、でも羊さんが今おっしゃっていた方が、ここの夫婦の関係性は見えると思います。僕はこのシーンでやろうとしていたことは、他のシーンですでに表現できているので、このシーンでは、この夫婦関係を見せるようなシーンにしましょう」というふうに受け止めてくださったんです。結果的に、狙い通りの雰囲気になりましたし、私もそれを受けた新さんのお芝居から、また新しい感情をいただいて、とてもうれしいなと思いました。

 ーー吉田羊さんの中で、思い出に残るシーンはありますか?

 洗濯物を届けに行ったシーンでは、新さんの後ろにグリーンバックが張ってあって、オンエアではCGでペシャンコになった高架が映っているのですが、それを想像したときに、絶望的な気持ちと同時に本当に復興してほしいって心から思えて、思いがけず、グッときてしまったんです。阪神・淡路大震災以降、数々の災害が起きていますけれど、私は直後の現場に足を運んだことがなかったので、どれだけリアルに役を捉えられるか不安でしたが、あのシーンではその様子が想像できて、そのときに「あぁ、この事柄に関わった人たちの思い、魂がきっとこのドラマを手助けしているんだな」と思って、多くの方に見ていただきたいと思いました。

 ーー番組の見どころをお願いします。

 自然災害は、一瞬で日常や命を奪い、人間の心をくじけさせますが、「失う」ということから気づかされること、絶望からも人間はリカバリーできるということ、そんなポジティブなメッセージを感じていただけるドラマです。当時の人々が互いに思い合い、支え合い、復興を信じて形にしたこの奇跡を、ぜひ見届けてください。そしてこのドラマをきっかけに、今一度、震災復興について考えていただけたらうれしいです。

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