端正な顔立ちと確かな演技力で今年多くの映画やドラマに出演し、話題を集めた吉沢亮さん。出演作ではヒロインの恋のお相手など美男子役が印象的だったが、11月に発表された女性ファッション誌「ViVi(ヴィヴィ)」(講談社)の企画「’18年下半期 ViVi国宝級イケメンランキング」では、「今一番好きなイケメン」ランキングである「NOW国宝級編」で1位を獲得。改めて正統派イケメンとしてのお墨付きを得たことで、支持層の拡大を感じさせた。そんな吉沢さんの今年の歩みを振り返る。
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今年、吉沢さんの活躍で目立ったのがマンガ原作の映画作品への出演。昨年、実写邦画でナンバーワンヒットを記録した映画「銀魂」(福田雄一監督)では人気キャラクターの沖田総悟役を演じ話題となったが、今夏公開された続編「銀魂2 掟は破るためにこそある」(同)でも同役を続投。続編も今年公開の邦画実写作品では3位となる、興行収入35億円、動員560万人を記録しており、昨年に続きヒット作に恵まれる形となった。
このほか、岡崎京子さんのマンガを実写化した映画「リバーズ・エッジ」(行定勲監督)では、河原の死体を心のよりどころにしているゲイ・山田一郎というミステリアスな難役に挑戦。かと思えば、吉住渉さんのマンガが原作の映画「ママレード・ボーイ」(廣木隆一監督)では、桜井日奈子さん演じるヒロイン・光希の相手役となる、クールな男子高校生・松浦遊を好演した。
原作と同様の金髪姿で遊の“胸キュンシーン”を再現した吉沢さんに、原作者の吉住さんも「桜井さんの光希ちゃんは可愛いしか出てこないし、吉沢さんの遊くんはカッコよすぎて直視できない」と太鼓判を押した。3月には桜井さんとともに大型ファッションイベント「マイナビ presents 第26回 東京ガールズコレクション 2018 SPRING/SUMMER」に出演。ランウエーに登場した吉沢さんが桜井さんの肩を抱き、映画のポスタービジュアルを完全再現すると、客席の女性ファンから悲鳴のような歓声が巻き起こり、女性支持を得ていることを感じさせた。
久保帯人さんの人気マンガを実写化した映画「BLEACH」(佐藤信介監督)では、弓を駆使して死神に対抗する滅却師(クインシー)・石田雨竜(うりゅう)役に挑戦。クールなメガネ男子姿を披露したが、その一方で白石ユキさんのマンガが原作の主演映画「あのコの、トリコ。」(宮脇亮監督)では、新木優子さん演じるヒロインにいちずに恋する、奥手なメガネ男子に扮(ふん)した。マンガ原作以外では、沢尻エリカさん主演の映画「猫は抱くもの」(犬童一心監督)で、自分を人間だと信じ込む主人公の飼い猫・良男という異色の役柄に挑み、演技の幅も見せた。
今年、これらを含む8本もの映画に出演する活躍を見せた吉沢さんは、11月に行われた第10回TAMA映画賞で、本年度最も飛躍した男優もしくは顕著な活躍をした新人男優を表彰する「最優秀新進男優賞」を受賞。「僕はこういった賞をいただくのは今回が初めて。たくさんの映画を愛している方から選んでいただいたことはうれしく思います」と喜びを語った。
映画で桜井さんや新木さんら人気若手女優の相手役を射止めた吉沢さん。CMでも次々と人気女優との共演を勝ち取った。1月に川栄李奈さんとともに脱毛専門サロン「銀座カラー」のCMに出演すると、2月には綾瀬はるかさんが出演するANA(全日本空輸)の新サービス「FEEL THE NEW SKY」のCMに、綾瀬さんの弟役で出演することが発表された。4月には元「乃木坂46」のメンバーで女優の深川麻衣さんの相手役でブライダルジュエリー専門ブランド「アイプリモ」のCMに出演。どの女優と共演しても絵になる、ポテンシャルの高さを見せた。
7月期には二つの連続ドラマを“かけもち”する多忙ぶり。波瑠さん主演の連続ドラマ「サバイバル・ウェディング」(日本テレビ系)では、はまり役とも言える“年下イケメン王子”の柏木祐一を演じた。その一方で、連続ドラマ「GIVER 復讐の贈与者」(テレビ東京系)では主演を務め、“冷徹で美しすぎる”復讐(ふくしゅう)代行業者という、初のダークヒーローに挑戦。同時期に全く異なる役柄を演じることについて、「GIVER」の会見で「(演じる役柄が)真逆なので、あまり意識していない。分けようと思わなくても、勝手に分かれます」と話しつつも、「せりふ覚えるのが大変なぐらいです」と売れっ子ならではの苦労も明かした。
また冒頭で紹介した「’18年下半期 ViVi国宝級イケメンランキング NOW国宝級編」については、2位にランクインした人気グループ「King & Prince」の平野紫耀(しょう)さん、3位に入った同グループの永瀬廉さん、4位に入った人気急上昇中の俳優・新田真剣佑さんらを抑えて1位を勝ち取ったことも大きい。他にも「Sexy Zone」の佐藤勝利さん、同グループの中島健人さん、俳優の山下智久さんらそうそうたる面々がランクインする中、今年の前半まで映画での活躍が中心だった吉沢さんがトップに立ったことは、その注目度の高さをうかがわせる。ランキングでは「平成史最高峰の美男」として紹介されたが、新年号となる2019年もさらなる活躍が期待できそうだ。
来年以降の吉沢さんの飛躍を確実視させる大きな要素が、19年4月スタートのNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「なつぞら」への出演だ。朝ドラ第100作という記念すべき作品で、主演が広瀬すずさんというだけでも話題十分。これに加えて、吉沢さんが特撮ドラマ「仮面ライダー」シリーズ出身の“ライダー俳優”だということが、実は注目ポイントでもある。近年、ライダー俳優が朝ドラに出演し、ブレークするパターンが続いているからだ。
13年には福士蒼汰さんが「あまちゃん」で、17年には竹内涼真さん、磯村勇斗さんが「ひよっこ」でヒロインの恋人を演じ、それぞれ大きく知名度を上げている。11年放送の福士蒼汰さん主演の特撮ドラマ「仮面ライダーフォーゼ」に、仮面ライダーメテオ役で出演した吉沢さんも、この「ライダー俳優から朝ドラ」のパターンに当てはまる。
次期の朝ドラで吉沢さんが演じる山田天陽は「アニメーターを目指すなつに絵心を教え、彼女の生涯に大きな影響を与える」役と説明されており、劇中で存在感を示すことになりそうだ。いずれにせよ、今後の支持層拡大に“王手”をかけた状態。来年もその活躍から目が離せない。