じゃりン子チエ 劇場版:高畑勲監督の名作 日常的な芝居で苦労 驚異的なテクニックも

高畑勲監督の作品の上映会とトークショー「高畑勲追悼企画(2)-原作を尊重し、原作を超える演出-『じゃりン子チエ 劇場版』」の様子
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高畑勲監督の作品の上映会とトークショー「高畑勲追悼企画(2)-原作を尊重し、原作を超える演出-『じゃりン子チエ 劇場版』」の様子

 昨年、亡くなった高畑勲監督の作品の上映会とトークショー「高畑勲追悼企画(2)-原作を尊重し、原作を超える演出-『じゃりン子チエ 劇場版』」が9日、シネ・リーブル池袋(東京都豊島区)で開催され、アニメーターの友永和秀さんが登場。1981年に公開された「じゃりン子チエ 劇場版」の原画を担当した友永さんは、高畑監督との仕事を「限られた空間で料理を作ったり、日常的な芝居で、ごまかしが利かない。苦労しましたね。高畑さんが理論的に飲み屋の広さ、空間をレイアウトで説明してくれるんですよ。それを意識しながら芝居をつけていきました。カットの意味を言語化してくれた」と振り返った。

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 トークショーには「じゃりン子チエ 劇場版」のファンという演出・アニメーターの沖浦啓之さんも登場。沖浦さんは、同作の魅力を「シーンのつなぎが素晴らしい。原作はいいせりふの宝庫。それを生かしながら、ストーリーをスムーズにするために順番をいじったりしている。驚異的なテクニック。すごいのが“歩き”。奥に歩くだけでちゃんと体重移動したり、すごく細かく設計されている」と語った。

 トークショーは国際アニメーション映画祭「東京アニメアワードフェスティバル2019(TAAF2019)」の一環として開催。TAAFは、アニメ文化と産業の振興や新たな人材の発掘、育成を目的に2014年から開催されており、今年で6回目。11日まで。

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