劇場版アニメ「二ノ国」(百瀬義行監督)が8月23日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほかで公開される。ゲーム「妖怪ウォッチ」や「レイトン教授」シリーズで知られるレベルファイブの手がける人気RPGシリーズの世界観に基づき、製作総指揮と原案・脚本を同社の日野晃博社長が手がける。音楽は久石譲さんが担当。高校生のユウと親友のハルが、幼なじみのコトナを巡る事件をきっかけに、現実世界と魔法世界「二ノ国」を行き来しながら繰り広げられる物語。俳優の山崎賢人さんが主人公ユウ、新田真剣佑さんがハル。女優の永野芽郁さんはコトナと二ノ国の姫・アーシャの2役の声優を務めている。
ウナギノボリ
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学校一の秀才で普段は車椅子を使っているユウ、バスケ部のエースで人気者のハル、ハルの彼女のコトナの幼なじみ3人は、いつも一緒に過ごしていた。ある日、コトナが謎の男に襲われる。助けようとしたユウとハルは車にひかれそうになるが、その瞬間、魔法世界「二ノ国」へ迷い込む。そこは命がつながった「もう一人の自分」がいる世界。ユウとハルはコトナにそっくりなアーシャ姫に出会う。アーシャ姫とコトナは死の呪いをかけられてしまうが、どちらかの命しか救えないという残酷なルールを知ったユウとハルは決断を迫られ……。
ゲームが原作だが、「二ノ国」の存在など基本的な世界観だけを共有し、全く新しい物語が紡がれていて、ゲームを知らなくても存分に楽しめる。
「命を選べ。」というキャッチコピーが刺激的。大切なもののために下す決断や勇気が描かれ、その真っすぐさには思わず胸を打たれた。
物語と並行して変化していくユウとハルの関係性や感情が興味深く、どちらに感情移入して見るかによって物語の見え方が変わるのも面白い。「二ノ国」の風景の温かみあるタッチと久石さんの雄大な音楽が融合してファンタジー感が増し、壮大な冒険ドラマを盛り上げている。(遠藤政樹/フリーライター)
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