注目映画紹介:「見えない目撃者」吉岡里帆が盲目の元警察官に 高杉真宙と事件を追う 手に汗握るスリリングな展開

映画「見えない目撃者」の場面写真 (C)2019「見えない目撃者」フィルムパートナーズ (C)MoonWatcher and N.E.W.
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映画「見えない目撃者」の場面写真 (C)2019「見えない目撃者」フィルムパートナーズ (C)MoonWatcher and N.E.W.

 女優の吉岡里帆さん主演の映画「見えない目撃者」(森淳一監督)が、9月20日から丸の内TOEI(東京都中央区)ほかで公開される。自らの過失で盲目となった元警察官が正義感と洞察力を駆使し、高校生と共に少女誘拐事件を追うサスペンス劇。全編ハラハラし通しで、握りこぶしに力が入ること請け合いだ。

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 警察官として有望視されていた浜中なつめ(吉岡さん)。しかし、自らの過失で弟を事故死させ、自身も視力を喪失。3年、失意の中から少しずつ回復していたなつめは、自動車とスケボーに乗った高校生の接触事故に遭遇。現場から走り去る車から少女の助けを求める声を聞いたなつめは、事件性を嗅ぎ取り、警察に通報する。しかし警察はまともに取り合ってくれず、やがて捜査は打ち切られる。あきらめ切れないなつめは、事故現場に居合わせた高校生、国崎春馬(高杉真宙さん)を探し出し、一緒に少女の行方を追い始める……。

 吉岡さんが、陰鬱さやおびえ、孤独、頭脳明晰(めいせき)で粘り強く調査するなつめを柔軟に表現。弟を死なせてしまったことへの罪悪感と無力感を、少女を救い出すという使命感に昇華させていく様に説得力を持たせている。音に反応した時の表情もとてもうまい。

 スマホやSNSといった小道具も効果的に使われている。映画の端々に敷かれた伏線は上手に回収されていく。それらがスリリングな展開とあいまって、ドキドキ感を加速させる。その一方で、一人の女性の再生と、彼女の生き方に触発されていく高校生の成長を描き、ヒューマン作の側面も持たせている。ラストも潔い。

 韓国でヒットした映画「BLIND(ブラインド)」(2011年)を、「ミュージアム」(2016年)の脚本家、藤井清美さんと、「重力ピエロ」(2009年)の森監督が、今の日本の文化を考慮して脚色。韓国映画のリメーク「22年目の告白-私が殺人犯です-」(2017年)を成功させた小出真佐樹さんがプロデューサーを務めた。(りんたいこ/フリーライター)

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