わたしの宝物
第6話 生まれ変わったら本当の親子になれるかな・・・
11月21日(木)放送分
俳優の伊藤英明さんが、2020年1月スタートの連続ドラマ「病室で念仏を唱えないでください」(TBS系、毎週金曜午後10時)で主演を務めることが10月31日、明らかになった。伊藤さんが同局のドラマに主演するのは、2007年4月期放送の「孤独の賭け~愛しき人よ~」以来、12年9カ月ぶり。俳優のムロツヨシさん、女優の中谷美紀さん、松本穂香さんの出演も発表された。1975年8月生まれの伊藤さん、1976年1月生まれの中谷さん、同じく1976年1月生まれのムロさんという“同学年”の3人がドラマで共演するのは今回が初めて。
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ドラマは、マンガ誌「ビッグコミック」(小学館)で連載されているこやす珠世さんの同名マンガが原作。伊藤さん演じる、僧侶でありながら救命救急医という“僧医”の主人公、松本照円(しょうえん、照之)の奮闘を一話完結型で描く医療ヒューマンドラマとなる。救命救急センター内での他の医師とのチームプレー、専門医たちとの激しいやり取りも描かれる。
中谷さんは、救命救急センターの医師で、松本とは意見が異なる部分がありつつも、お互いの実力を認め協力し合う女医の三宅涼子、ムロさんは、松本とたびたび衝突する心臓血管外科医の濱田達哉、松本穂香さんは濱田の下で働く新人心臓血管外科医の児嶋眞白(ましろ)を演じる。ムロさんと松本穂香さんが医者役を演じるのは、今回初めて。
脚本は、「初めて恋をした日に読む話」(以下、すべてTBS系)や「あなたのことはそれほど」などの吉澤智子さん、演出は「インハンド」などの平野俊一さんらが担当。プロデューサーは「コウノドリ」「逃げるは恥だが役に立つ」「ブラックペアン」などの峠田浩さんが担当する。
伊藤英明さん
――原作を読んだ感想は?
マンガが原作ということで、現実には起こりえないファンタジックな世界観で描かれているのかと思いきや、この作品には奇跡を起こすようなスーパードクターも、霊が見えるような僧侶も登場せず、ただ患者に寄り添い生きていく、また、死んでいく手助けとして、得度した医師という存在に何ができるのかと日々葛藤する姿に、今そこで起こっているかのような現実味を感じ、大変興味をそそられました。
――僧医という、珍しい役どころについて。
この作品を手に取る前まで、医師という職業は「生」に近く、僧侶という職業は「死」に近い印象でした。けれど、原作を読み進めていくうち、医師も日々死に向き合い、僧侶もまた生に向き合い、もしかすると表裏一体をなすものなのかも知れないと感じているところです。
――12年ぶりのTBSドラマでの主演について。
「孤独の賭け~愛しき人よ~」のキャッチコピーは「俺たちは、金と欲でつながっている。」でした。しかし、今回の作品は金と欲を煩悩とし、視聴者に死生観を問うような作品です。12年の時を経て、まるで真逆の役柄を演じられることに俳優という職種の面白味を感じています。
――共演者の印象は?
中谷さんは一度テレビで拝見した自筆がとても素晴らしく、知的な印象が今回の三宅役にぴったりなんじゃないかと感じています。ムロさんは、コミカルなものからシリアスなものまで、とても幅広い役柄を演じられており、今作では主人公・松本のライバル役ということで、対峙(たいじ)を楽しみにしています。松本(穂香)さんは、中谷さんやムロさんなどベテラン勢の中、みずみずしい存在で現場を盛り上げてくれると思っています。また中谷さん、ムロさんは偶然にも自分と同い年ということで、同僚という関係性を視聴者の方によりリアルに感じてもらえるのではと期待しています。
――ドラマへの意気込みを。
ありそうでなかった、医師で僧侶という役柄。患者の体を医師の立場で、そして患者の心を僧侶の立場で救いたいという願いを持ち、またその中で自らの生き方をも模索する、そんな「生きる」ということに一生懸命な人間を見てもらえれば、と思っています。
・中谷美紀さん
――原作を読んだ感想は?
個人的に無宗教を貫いているため、仏法を振りかざす救命医などうっとうしいと思いながら読み始めましたが、松本という医師でもあり僧侶でもある人間が、分かったようなことを言いながらも、女性の水着姿に興奮したり、般若湯(はんにゃとう)をあおるような煩悩の塊であり、人の心を救うべく仏の道を説いて見せるも独りよがりだったり、見当違いだったりするあたりが人間くさくて好きでした。三宅は、仏法を逆手に取って「生臭坊主」の松本を揶揄(やゆ)しつつも、患者の命を救うという同じ志を持つ者として、信頼関係を育んでいくのだと思います。
――共演者の印象について。
救命の現場においては伊藤英明さんにお任せしておけば何とかしてくれそうな、漢と書いて「おとこ」と読むにふさわしい印象がありますが、松本の生真面目さと不完全さをどのように演じ分けてくださるのか楽しみです。硬軟自在に演じ分けるムロツヨシさんが自意識過剰で鼻持ちならない心臓外科医のお役をなさるとのこと、物語の奥行きが増して面白くなりそうな予感がしています。松本穂香さんの今の年齢でしか表現できない汚れのない存在感で、瀕死の人々を扱う血なまぐさい場面にすら清らかな空気をもたらしていただけるのではないでしょうか。
――ドラマへの意気込みを。
肉体の救命と、魂の救済が本当に両立できるなら素晴らしいことだとは思いますが、簡単にはできないからこそ、松本がもがく姿を人は見守りたいと思えるのではないでしょうか。肉体的にも精神的にも決して楽ではない救命医になることを選んだ三宅という芯のある女性の生き様を全うしたいと思います。
・ムロツヨシさん
――原作を読んだ感想は?
死について考え、そして生を考える。医療、医者、患者の話ではありますが、それだけではない人間模様が、面白くもあり深くもあり、描かれてる作品だと思います。演じ手として、しっかりお伝えしたいことがたくさんあります。
――共演者の印象について。
伊藤英明さん、中谷美紀さんとは初めてご一緒させていただきます。お二人を見る側の人間でしたが、こうして一つの作品に出られること、そしてお二人とは、同じ年、同級生です。うれしい、うれしすぎます。中谷美紀さんにしっかり向き合い、伊藤英明さんとバチバチやり合いたい、そう思っております。松本穂香さんも初めてです。輝いてる。邪魔したくないですが、役柄上、追い込むことがあるかもしれません。いえ、追い込むことになるでしょう。松本穂香さん、よろしくお願いします。
――ドラマへの意気込みを。
TBSさんが、また声をかけてくれました。去年は、恋愛ドラマ、きれいな人がほれる小説家。今回は、医療ドラマ、モテる、できる心臓外科医。TBSさんは、どうしてこんなムロを見たいと思ってくれるのか、不思議でなりません。ムロへの賭け方が間違ってはいないか。いや、こんな賭けに出てくれるなんて役者冥利につきます。この賭けをしてくれたいろんな方へ。この賭け、勝たせてみせたい、と大きなことを言える男ではあります。賭け続けてください。私もこの作品に賭けようと思います。
追伸、医者の役、初めてでドキドキしてることは、内緒にさせてください。
・松本穂香さん
――原作を読んだ感想は?
命に向き合うこととはなんだろう。本当の意味で人を救うってなんだろう。私には今まで触れたことのない世界が描かれていました。私の演じる児嶋眞白は、打たれ弱いところもあるけれど、決してそこでくじけない。とにかく一生懸命な女性です。そんな彼女を演じられることを、とてもうれしく思います。
――共演者の印象について。
お三方とも、コメディー、シリアス、どんなジャンルも幅広く、すてきなお芝居をされる方々という印象です。個性豊かなキャラクターをどう演じられるのか、一緒にお芝居させていただけることが、今からとても楽しみです。
――ドラマへの意気込みを。
今回、私にとって初めての医者役ということで、初経験のことがたくさん待っていることに、ワクワクドキドキしています。素晴らしいキャストの方々の中で、皆さんにすてきなドラマをお届けできるよう、児嶋先生のように一生懸命頑張ります!
「僧侶が医者なんて奇をてらっている」連載当初はこんなこともよく言われましたが、実は僧医は結構いるんです。その僧医である主人公・松本がその道をなぜ選ぶことになったのか、因縁である松本の身近な人たちとの関わり、対立するライバル医師とはどうやり合うのか、自身の描きたかった部分をドラマでは取り上げていただきました。今回の映像化にあたり、松本を演じる俳優さんには低い声での読誦(どくしょう)と「坊主頭」で、とお願いしました。そのわがままを受け入れてくれた伊藤英明さんが松本をどう見せてくれるのか、また同僚や他科の医師とどう絡んでいくのか大いに楽しみです!!
僧侶でありながら救命救急医――「生と死」に常に向き合うこの二つの職業。その二つの生き方を貫く主人公・松本照円だからこそ伝えられる「思い、言葉」があります。そのことがとても重要な意味を持つことが原作を読み進めるほどに強く伝わってきました。これまでになかった主人公の設定が「人が人を救うとは何か」という本質をとても突いていて、本当に驚きの一言でした。それでいてエンターテインメントで、笑いもあり、押しつけがましくない。こやす先生の原作の持つ魅力をドラマとして絶対に引き継ぎたいとキャスト、スタッフ一同、気合が入っています。
「心身ともに救いたい」という熱い思いを持った主人公の松本は患者だけではなく、その家族や同僚たちをどんどん巻き込み、突き進んでいきます。これだけ聞くと松本は完璧な人間に見えますが、悩み、葛藤し、苦しみます。煩悩もまだまだ捨てられず、すごく人間的です。これがとにかく面白い。この主人公・松本を演じるのが伊藤英明さんです。松本にはもうこの人しかいない、その一言です。二つの生き方の中で矛盾に苦悩しながらも、医療現場では不条理なことに立ち向かい、患者のために突き進む松本に説得力を持たせられる役者は伊藤さんしかいないと思っています。
そして松本と共に救命救急を支えるのが三宅涼子。冷静でシビアな判断で次々と患者を救う一方で、その直後に「生臭坊主」と松本と口げんかをしたり、笑い合う。そんな三宅は避けられない死もたくさん受け止め、今もさまざまな思いを押し殺し、前を向いています。そんな三宅を演じてくれるのが中谷美紀さんです。三宅はどんな目で患者を見つめるのだろう、と原作を読んでいつも思っていました。この三宅は眼差し(まなざし)の奥に強さと繊細さを感じる中谷さんにぜひ演じていただきたいと思いました。中谷さんが三宅をどう感じていただけるのか心から楽しみにしています。
このドラマでは「救命救急医VS専門医」という実際の現場でも起きている、医療の新たな一面も描いていきたいと思っています。そこで松本、三宅の前に立ちふさがるのが心臓血管外科医・濱田達哉。濱田は有名大学を卒業後、海外でも執刀を行ってきたエリート医師。「命を救いたい」という思いは松本と変わらないが、助ける患者は医師が選ぶべきという考えを持ちます。原作のこやす先生とも相談し、ドラマ内の濱田はなかなか本性をつかめないが、とても魅力的な人物になっています。この濱田を演じてくれるのがムロツヨシさん。濱田役を考えたとき、制作陣みんなが変幻自在にキャラクターを作り上げるムロさんを思い浮かべました。伊藤さんとムロさんの激しいやり合いはイメージするだけでワクワクしてきます。
さらにその濱田の下で働く若手の心臓血管外科医・児嶋眞白を演じてくれるのが松本穂香さん。松本穂香さんは以前お仕事をしたときに、どこか心を見抜かれているように感じる真っすぐな目がとても印象的でした。原作での純真なまま、人の本質にズバズバ切り込んでいく児嶋を思い浮かべたときに松本さんにぜひお願いしたいと思いました。伊藤さん、中谷さん、ムロさんにどんどんぶつかっていただきたいです。作品ごとにさまざまな魅力を見せてきた伊藤英明さん、中谷美紀さん、ムロツヨシさんはなんと同い年でドラマ初共演。そこに松本穂香さんが飛び込んでいく姿を想像すると楽しみでしかありません。
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