アメトーーク!
ひとり暮らし長~い芸人
11月21日(木)放送分
「ほぼ芝居している感はないですね」。こう語るのは、テレビ東京らしさ全開のゆるいドラマ「ひとりキャンプで食って寝る」(同局ほか、金曜深夜0時52分)に主演する俳優の三浦貴大さん(34)だ。三浦さんは、奇数話で、缶詰と簡単な食材でアレンジ調理を楽しむ大木健人を好演しており、SNSでは「癒やしドラマで最高」「三浦貴大さんのおいしそうな食べっぷりもいい」などの声があがるなど、視聴者を魅了している。三浦さんといえば、父親に俳優の三浦友和さん、母親に伝説の歌手・山口百恵さんを持つ2世俳優としても知られているが、16人部屋の寮で生活した大学時代を「人生が変わったポイント」と語る。三浦さんの知られざる素顔に迫った。
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ドラマは、ひとりでキャンプをする「ひとりキャンプ」と、キャンプの醍醐味(だいごみ)でもある「食事」をテーマに、男女それぞれが気の赴くまま独自のキャンプを満喫する……というストーリー。三浦さんが主演する奇数話では、「バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」などの横浜聡子監督がメガホンをとる。
「ひとりキャンプ」を題材にした異色の作品ということで、オファーが来たときの心境を「心配な部分もあった」と明かした三浦さん。「番組の間の10分枠とかならちょっとわかるけど、30分どうやってやるんだろうとか、俺がキャンプしている姿、(視聴者が)見たい?とか(笑い)」と振り返りつつ、台本を読んで“飯テロ番組”と腑(ふ)に落ちた。
劇中では、三浦さんが、“ふーふー”しながら、熱々の「くん製チーズドッグ」を頬張ったり、「んんっ、うまい!」と言いながら「焼き鳥の和風ペペロンチーノ」を食べたりする姿が登場。SNSでは、「アウトドア飯テロドラマ」「テレ東、またやったなw」「『孤高のグルメ』からの『ひとりキャンプで食って寝る』は飯テロが過ぎる」などの声があがった。
三浦さんのもとにも「すごく面白かった」という声が届いているというが、「『あれ、お前がキャンプしているだけだろ』ってすごい言われました(笑い)。まあ、そういうドラマだからって」と話す。
もともと「インドア派」という三浦さん。7000冊持っているというほどのマンガ好きで、「置く場所なくなっちゃって、電子にした」と話す。一番好きなマンガは、「幽☆遊☆白書」。
そんな三浦さんだったが、今回の撮影がきっかけでキャンプに魅了され、撮影後にも何度かキャンプに行った。泊まりがけのひとりキャンプも体験済み。コンビーフやコーン、焼き鳥の缶詰を持参し、自身が演じた健人のように過ごしているといい、お気に入りは、何もせず、ただたき火の火を見ているだけの時間。「あの瞬間が一番いい」。
「家にいるのが大好きだし、ひとりでいるのが好きなんですけど、それがただ山の中に移動した、場所が変わったっていうだけ。山の中に引きこもっているという感覚。癒やされているんでしょうね」
三浦さんは、1985年11月10日生まれ。東京都出身。2010年に映画「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」(錦織良成監督)で俳優デビュー。同作の演技が評価され、第34回日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞した。
これまで、数々の映画作品やテレビドラマに出演してきた。「2009年から仕事しているので、今年で10年だったんですけど、一気に駆け抜けてきた感じなので、記憶がないんです」と振り返り、「今後は一個一個ちゃんと集中して、ちょっと休んで……みたいなペースで、一個一個を大事にしていけるといいのかなとも思っているんですけどね」と願望を話す。
先日、34歳の誕生日を迎えた思いについては、「30代というのは、役者としてすごい難しい年代ではあるので、うまいこと今後も仕事あるといいなと思いながらは生きているんですけど……あとは元気に生きていられれば。あんまり目標とか持たないので」と話す。
そんな三浦さんに、20代の頃と比べ、仕事に向き合う姿勢の変化があったかどうかを聞いてみると、「学生の時に海で働いたときから全然変わっていないです」ときっぱり。大学生時代に、ライフセーバーとして救助活動を行っていたといい、「仕事に『面白い』も『つまらない』もないし、仕事なのでやるっていうスタイル」と仕事観を語る。「面白いときもあるし、つまらないときもありますけど、それはおまけなので。やる気を失ったりはしないし、そんなスタイルでずっとやっていますね」
「『バイトだから(責任は負わない)』みたいな感じで、適当にやっている人が嫌いだった。バイトも正社員もお客さんにとっては変わらないから、全部責任を持ってやらなきゃいけないんじゃないですかね!っていうふうに(当時)言っていた」と振り返る。
また、「お金が1円でも発生したら仕事なので、自分の責任が発生する。責任があることをちゃんとやるということが、僕の中での決まり事」と明かしつつ、仕事自体は「嫌い」で「できるならやりたくない」と本音もチラリ。仕事は人生のメインではなく、あくまでも私生活がメインという考え方だ。
浪人を経て、19歳で大学に入学。ライフセーバーの仕事を通じて芽生えた“プロ意識”のほかにも、大学時代は三浦さんの人生にとって大きな転機となった。高校までは、“学校”という狭いコミュニティーの中に身を置き、「閉塞(へいそく)感」を感じていたといい、両親のことが「すごく大きかった」と振り返る。
しかし、大学に入学後、16人部屋で過ごした寮生活では、さまざまな地方から来た学生とも仲良くなった。「僕のことなんて誰も知らないし、両親のことも知らないって人たちにいっぱい出会った。そこで『自分ってこのままでいいんだ』っていう感覚になったのは、すごく覚えているし、人生が変わったポイントなのかなとは思っています」と話す。
「海で仕事を始めて、海のお客さんとかと話したり、(他の)バイトも始めて、いろんな人との関わりができていって、自分の中のコミュニティーがどんどんどんどん広がっていったような感覚があった。そこでだいぶ自分の考え方とか、生き方みたいなものが変わったんじゃないかなと思っています」
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三浦さんについて、番組を手がける大和健太郎プロデューサーは、「人間味あふれるし、朴訥(ぼくとつ)さがあって、あたたかさがある」と語っており、滝山直史プロデューサーも、「自分の個性を前面に出して……という役者さんとはまったく違って、(まわりの人たちと)わりと調和する。そこが今回、自然の中でのんびりとみたいな(ドラマの)感じに合っていて、よかった」と話していた。
そんな三浦さんに、家族や仲の良い友人からどんなふうに言われているかを聞いてみた。「う~ん」としばらく考えながらも、「変だってよく言われるんですけど……まあ、みんなに言われるから、そうなんでしょうね!って言っていますけど(笑い)」と話した三浦さん。ちなみに、自身では、「部分的にマメな部分があって、でも他の大部分はすごく雑だから、めんどくせーな!と思います(笑い)」と分析している。
プライベートでは、自宅でマンガを読んだり、友人などとお酒を飲みに行ったりして時間を過ごす。「前にインスタで(ファンからの)質問に答えるというのをやったんです。『つらいことがあったらどうやって切り替えますか』と質問が来たのですが、『切り替えません。つらいと思いながら暮らします』と答えた。まさにその通り。とくに切り替えないです」。記者のさまざまな質問に、飾らず淡々と、でも礼儀正しく、丁寧な物腰で答える横顔が印象的だった。
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