上白石萌音:2020年は「運命の出会いをしたい」 初共演の佐藤健は“軟体動物”!? 主演ドラマ「恋はつづくよどこまでも」

ドラマ「恋はつづくよどこまでも」主演の上白石萌音さん
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ドラマ「恋はつづくよどこまでも」主演の上白石萌音さん

 円城寺マキさんの同名マンガ(小学館)が原作の連続ドラマ「恋はつづくよどこまでも」(TBS系、火曜午後10時)が1月14日にスタートする。容姿端麗で頭脳明晰(めいせき)だが超ドSなドクターの天堂浬(かいり)に恋する新米看護師・佐倉七瀬役で主演を務める女優の上白石萌音さんに、役作りや天堂を演じる佐藤健さんの印象、出演作が相次いだ2019年について、また2020年にチャレンジしてみたいことなどを聞いた。

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 ◇初の看護師役に試行錯誤

 ドラマは、偶然起こった出来事で運命の男性となる医師(天堂)に恋をした七瀬(上白石さん)が、彼に会いたい一心で猛勉強。見事に看護師となり5年越しに再会する。だが、その相手の天堂(佐藤さん)は、毒舌ばかり吐く超ドSなドクターで、通称「魔王」と呼ばれていた。天堂に素直な思いを伝え続け、くじけず突き進む「勇者」の七瀬と、「魔王」天堂の恋模様を描く。

 ドラマ発表時の会見で「タックルのごとく、私はぶつかっていくしかない」と話していた上白石さん。実際に撮影が始まると、「何回も失敗して何回も怒られてへこんで。でも立ち上がってという。そのサイクルがめちゃくちゃ速いなと思いながら、毎日がむしゃらにやっています」という。

 今作で看護師役に初挑戦しているが、「毎日思うのは、やっぱり芝居って難しいなって。このドラマは医療ものでもあるので、採血や点滴、検査のシーンなどの手技が難しい」と苦労を明かすも、「こういう理由でこういう所作になっていますという説明を聞くと、確かに実際の看護師さんがやっていらっしゃることが多く、現実とつながっているような感じですね」と感心する。

 ◇七瀬と同じく運命は「信じる」

 上白石さんが演じるのは“ピュアすぎる”女性、七瀬。役作りの軸は「とにかく“純度”」と話し、「決して失敗を人のせいにせず、『私、だめだ……』という一点でへこむ子。それは落ち込むときだけじゃなくて、うれしいときも悲しいときも、まるっと100%の感情でいる子だなと思う。そこは大切にしています」と説明する。

 そんな七瀬というキャラクターには、「ピュアな人っていいですよね。憧れという感じです」と上白石さん。自身と七瀬を比較し、「心が弱いなと思うときも。今回の失敗はしょうがないって思っちゃったりするのは“逃げ”なんだと、七瀬に出会って思いました」と話し、「(天堂が好きで)看護師になっちゃう。壊れやすいですけど、再起も早くて、めちゃくちゃハートが強い。私だったら立ち上がれなくなるだろうなというところを、七瀬は何回でも起き上がりこぼしのようにめげない。やっていて勇気をもらいます」と役の魅力を語る。

 そんな上白石さんも七瀬と同じく“運命”を「信じます」といい、「高校の入学式の前、制服の採寸に行くときに道でばったり会って、ちょっとだけ話した子と親友になりました(笑い)」と運命を感じたエピソードを披露。さらに、「この仕事が全部“運命”というか“縁の連鎖”だなと思っています。だから信じますし、大事にしたい」と神妙な表情で語る。

 ◇2019年は“縁”に恵まれた1年

 2019年は、映画「LDK ひとつ屋根の下、『スキ』がふたつ。」や「スタートアップ・ガールズ」で主演を務めたほか、「カツベン!」にも出演。さらにドラマ「怪談牡丹燈籠 Beauty&Fear」出演や、新海誠監督の最新作「天気の子」では声優を務めるなど、話題作に数多く出演した。

 そんな昨年について、上白石さんは「本当にすてきな大人にいっぱい出会った年」と表現。「大先輩の中で芝居をさせていただく機会が多くて、こんな大人になりたいって思う人にもいっぱい出会った。そういう方たちと連絡を取らせていただき、相談できているので、人との縁に恵まれました」と充実感をにじませる。

 幅広いジャンルへの出演も、「挑戦もいっぱいしたなと自分なりに思っています。一つ階段を上れたのでは」と手応えを口にする。

 ◇初共演の佐藤健の印象は…

 今作で初共演となる佐藤さんの印象について、「演じている役の幅も広いですし、ミステリアスなところもあり、どういう方なんだろうなと思っていたら、軟体動物みたい“ふにゃ”っとした、すごく力が抜けている方。意外でした」と上白石さん。役柄とは真逆の印象だが、「すごく人を見ていて、いろんなことに対して突き詰めて考えている方」と気配りに驚き、「相談するまでもなく悩みに気づいてくださったりしますし、ささいなことで何時間も話せるフランクさも持ち合わせている。めちゃくちゃ助けていただいています」と感謝する。

 ドラマには、山本耕史さん、NHK連続テレビ小説「まんぷく」で「たちばな塩業」の従業員(=塩軍団)の森本元を演じた毎熊克哉さん、特撮ドラマ「仮面ライダージオウ」(テレビ朝日系)でウォズ(仮面ライダーウォズ)を演じた渡邊圭祐さんらも出演。「いい人しかいなくて怖いくらい(笑い)。こんな未熟者を温かく見守って、優しく導いてくださる方ばかり」と上白石さんは共演者をたたえる。また、「(七瀬)の同期役はみんな同じ年くらいで、吉川愛ちゃん、堀田真由ちゃん、渡邊圭祐君、そのメンバーといるときは和みますね。本当に同期みたいな空気感になってきました」と明かす。

 さらに、「(七瀬が属する)循環器内科の先輩たちの空気感もすてきで、こんな病院があったら頑張っちゃうなと思うぐらい。理想の職場です(笑い)」と話す。

 ◇2020年は“運命の出会い”を希望?

 以前のインタビューで「10年後は?」という質問に、「結婚している」と答えていた上白石さんに、同じ質問をぶつけると、「31歳、子供を産んでいたい。1人目ぐらいかな(笑い)」と回答。「年齢的に(同世代の)結婚や出産が、これから増えていくと思う。そうなってくると自分もいよいよ……って考えだすのかなって。より現実的になってきたなと思います」と思いをはせる。

 そんな上白石さんに「今年挑戦してみたいこと」を聞くと、「なんだろうな……」と長考したのちに、「そうですね。運命の出会いをしたいです。恋愛に限らずですけどね(笑い)」と楽しそうに答えた。

 改めて「2020年をどんな年にしたいか」と聞くと、「楽しみたい」と笑顔で即答。「オリンピックも来るし、多分(例年とは)違うムードになるだろうなって。新年一発目でドラマに出させていただいて、私自身もちょっと変わるだろうし、変わらなきゃいけないと思っています」と理由を説明し、「性格的に、あせったりはするだろうなと思いますが、そこを楽しめる強さを七瀬にもらいたい」と力強く話した。

 最後に、女優としてチャレンジしたいことは……と聞くと、「ナースとは違う立場で寄り添っているドクターはカッコいい。オペシーンを見ていて私もやりたいって。今作のオペシーンも皆さんカッコよかったです。できる医療従事者の役をやりたい」と回答。今作がシリーズ化して七瀬が指導者になるかも……と水を向けると、「指導者になっても多分、七瀬は後輩に怒られる感じだと思います」と楽しそうに笑った。

 連続ドラマ「恋はつづくよどこまでも」は、TBS系で1月14日から毎週火曜午後10時に放送。初回は15分拡大。

 (取材・文・撮影:遠藤政樹)

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